出荷台数が4年ぶりに増加、OS更新需要がけん引
「2024年暦年 国内パソコン出荷台数調査」
2025年02月28日
■2024年の国内パソコン出荷台数は前年比13.1%増の1239.4万台と4年ぶりに増加
■出荷金額は台数増と高性能化により、同17.4%増の1兆4721億円と3年連続の増加
■2025年はOS更新とGIGAスクールの需要顕在化で同10.6%増の1371万台に
概要
ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は2024年(2024年1~12月)の国内パソコン出荷台数を調査し、その結果を発表した。出荷台数は1239.4万台(前年比13.1%増)と、2020年以来4年ぶりの増加となった。メーカー別ではNECレノボが292.7万台、シェア23.6%と首位を維持。デルがシェア14.6%となり3位に浮上した。
出荷金額は前年比17.4%増の1兆4721億円となった。平均出荷単価は11万8775円で、2023年の11万4505円から4270円上昇した。2年連続で単価が11万円を上回った。
【データ1】国内パソコン出荷台数シェア(2023年/2024年) ※詳細データは補足データを参照
詳細
NECレノボがトップを堅守、デルとdynabookがシェア拡大
メーカーシェア首位のNECレノボは292.7万台を出荷、シェアは23.6%となった(データ1)。2位は日本HP、3位にはひとつ順位をあげたデルが入った。dynabookはモバイルノートブックの販売促進を進めており、特に法人市場が好調でシェアを1.5ポイント上げている。2024年は2025年10月に控える基本ソフト(OS)「Windows10」のサポート終了に向けたパソコンの入れ替えが始まり、法人市場を中心に需要が高まっている。一方で、個人市場では法人市場に比べて入れ替えのタイミングが遅れており、2025~2026年初頭にかけて端末更新需要が続くとみられる。
【補足】国内パソコン出荷台数シェア詳細(2023年/2024年)
【データ2】国内パソコンの出荷金額と平均単価の推移
出荷金額は1兆4721億円で前年を17.4%上回った。平均出荷単価は11万8775円と、2年連続で11万円を超えた。円安による部品や海外生産コストの上昇とハイスペックなモバイルノートパソコンの需要増が重なり、単価を押し上げている。2025年以降はAI(人工知能)処理をパソコンで実行するAIパソコンの拡大次第で、さらに平均単価を押し上げる可能性がある(データ2)。
【データ3】国内パソコンのルート別出荷台数
2025年は10.6%増の1371万台と予測、入れ替え需要がピークを迎える
2025年のパソコン出荷台数は前年比10.6%増の1371万台を見込む(データ3)。2024年は当初1145.9万台と予想したが、大企業を中心とした法人市場での入れ替え需要が前倒しされ、1239.4万台に着地した。2025年は、個人市場と法人市場のうち中小規模の企業や個人事業主での入れ替え需要が続き、Windows10のサポート終了による端末入れ替えのピークを迎えるとみられる。出荷金額も、円安に起因したパソコン価格の上昇やAI活用に適したハイスペックパソコンへの需要増から続伸するとみられる。GIGAスクール端末の入れ替え需要は2025年に集中することが予測され、出荷台数は増加する。
2025年はAI処理を高速化するAIパソコンが各メーカーから出揃い、市場での活用が広がる年となる。AIパソコンの登場は、ネットワーク遅延やプライバシー保護といった観点で、社会実装に向けた課題を克服するソリューションとして期待されている。AIパソコンを活用することで生成AIの活用範囲は、ソフト開発や業務用アプリでの利用だけでなく、工場、物流倉庫、商業施設などでも実装検討が進めやすくなるだろう。
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