スマートフォンの月額利用料金は4,356円で微減
「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態」(2025年1月調査)
2025年02月20日
■スマートフォンの月額利用料金は平均4,356円(前回2024年7月比7円減少)
■スマートフォンの購入金額は平均77,091円(同1,298円増加)
■スマートフォンの月間データ通信量は平均12.05GB(同0.58GB増加)。中央値は依然3GB
■スマートフォンの利用時間(通話時間を除く)は週平均1,258分(約21時間)
ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)はスマートフォン及びフィーチャーフォンそれぞれの音声通話サービス利用者に対するアンケート調査を実施し、携帯電話の月額利用料金と音声通話・データ通信サービスの利用実態をまとめた。
スマートフォン利用者の月額利用料金は4,356円
携帯電話の月額利用料金※1,2,3について、端末代金の分割支払い分を含まない実際の支払総額を分析した結果、スマートフォン利用者全体では4,356円で、前回調査から7円減少した。
※1:2025年1月の有効回答数:10,538
※2:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出
※3:「月額利用料金」=「通話料」+「データ通信料」
◇端末購入の支払いが分割払いで残っているユーザーの月額利用料金には端末購入金額は含まれていない
◇消費税を含む
MNO(移動体通信事業者)4ブランドのスマートフォン利用者の月額利用料金は5,025円、楽天モバイルを除くMNO のフィーチャーフォン利用者は2,582円となった。サブブランド利用者の月額利用料金は3,184円、MVNO(仮想移動体通信事業者)利用者の月額利用料金は1,961円となった。前回調査と比較すると、スマートフォン月額利用料金としてはすべてにおいて減少した。
スマートフォン利用者の端末購入金額は77,091円
端末の割引前購入金額※4,5,6はスマートフォン利用者全体で77,091円となり、前回調査から1,298円増加した。主な要因は前回同様、①為替変動・物価高騰の影響を受けてスマートフォン本体の価格が上昇したこと②下取り施策を含めた割引施策のトレンド変更により3万円台以下の低価格端末の販売比率が減少する一方、Androidとしては高価格に属するGoogle Pixelの台数が増加したこと――と分析する。5G対応・非対応による端末価格の違いをみると、5Gスマートフォン利用者は85,249円、4Gスマートフォン利用者(3Gを含む)は55,760円で、5G対応の方が約2.9万円高かった。
MNO 4ブランドのスマートフォン利用者では82,237円(前回調査比1,460円増)、MNOのフィーチャーフォン利用者は21,675円(同396円増)、サブブランド利用者は66,493円(同723円減)、MVNO利用者は60,796円(同1,511円増)だった。
※4:2025年1月の有効回答数:10,538
※5:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出
※6:「購入金額」=定価・または割引前の端末の支払総額(消費税を含む)
月間データ通信量は平均12.05GB(ギガバイト)
スマートフォン利用者の月間データ通信量※7,8,9,10,11,12は、「わからない」と回答したユーザーを除いた平均データ通信量は12.05GB(ギガバイト)、中央値は3GBとなった。有効回答のみを対象とした場合、月間通信量は「1GB」24.9%、「2GB」10.4%、「3GB」17.8%となり、53.1%のユーザーが3GB以下の通信量となった。平均値は増加傾向にあるが、中央値は依然として「3GB」であり、二極化が進行している。平均利用量に近い「10GB」までのユーザーは75.2%を占め、前回調査より0.2ポイント減少、その分、10GB超ユーザー比率が上昇した。
※7:小数第2位を四捨五入しているため合計は100.0%とならない
※8:有効回答数:15,870
※9:月間通信量についてGBで回答した結果による分析
※10:通信量はモバイル通信量のみ(Wi-Fi接続による通信量は含まない)
※11:2024年12月(調査月の前月)の利用状況から分析
※12:「通信量がわからない」を除く
MNO 4ブランドのスマートフォン利用者の月間データ通信量※13,14,15,16,17は、「わからない」と回答したユーザーを除いた平均データ通信量は14.28GBとなった。サブブランド利用者は6.51GB、MVNO利用者は6.47GBで、MNO4ブランドのデータ利用量はサブブランド及びMVNOの2.2倍であった。年代別にみると、20代以下(19.21GB)、30代(16.59GB)、40代(13.07GB)、50代(10.44GB)、60代(6.63GB)となり、若年層ほどデータ通信量が多い結果となった。
※13:有効回答数:15,870
※14:月間通信量についてGBで回答した結果による分析
※15:通信量はモバイル通信量のみ(Wi-Fi接続による通信量は含まない)
※16:2024年12月(調査月の前月)の利用状況から分析
※17:「通信量がわからない」を除く
1週間の通話時間はMNO 4社 42.1分、サブブランド 31.4分、MVNO 28.1分
スマートフォン利用者に携帯電話番号とIP電話・アプリ電話それぞれの音声通話時間※18を質問した。その結果、1週間の平均通話時間は携帯電話番号からの場合、MNO 4社は20.5分、サブブランドは17.1分、MVNOは14.0分となった。IP電話・アプリ電話からの場合は、MNO 4社は21.6分、サブブランドは14.3分、MVNOは14.1分となった。携帯電話番号とIP電話・アプリ電話からの通話時間を合算すると、MNO 4社は42.1分、サブブランドは31.4分、MVNOは28.1分となった。
※18:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出
スマートフォン利用時間は1,258分/週
スマートフォンの1週間あたり利用時間※19,20は1,258分(20時間58分)となった。個別にみると、MNO 4社は1,297分、サブブランドは1,235分、MVNOは1,152分となった。
※19:通話時間を除く
※20:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出
用途別※21,22では、「インターネット検索・情報収集」(237.8分、構成比19.1%)が最も多く、次いで「動画視聴」(179.1分、同14.4%)、「SNS」(170.8分、同13.7%)、「メール・メッセージの送受信」(116.4分、同9.4%)、「ゲーム」(112.8分、同9.1%)、「音楽視聴」(73.1分、同5.9%)、「オンラインショッピング」(65.5分、同5.3%)と続いた。上位7用途で76.9%を占めた。
※21:利用用途(全13項目)
「メール・メッセージの送受信(メール・LINE・スタンプなど)」、「カメラ撮影(写真撮影)」、「動画撮影」、「動画視聴(YouTubeなどのストリーミング視聴)」、「音楽視聴」、「電子書籍・マンガ」、「ゲーム」、「オンラインショッピング」、「SNS」、「インターネット検索・情報収集」、「地図アプリ(Googleマップなど)」、「テザリング(スマートフォンを介した他デジタル機器のネット接続)」、「上記以外の機能・サービス」
※22:「その他」には下記項目が含まれる
「カメラ撮影(写真撮影)」、「動画撮影」、「電子書籍・マンガ」、「地図アプリ(Googleマップなど)」、「テザリング(スマートフォンを介した他デジタル機器のネット接続)」、「上記以外の機能・サービス」
SNS、音楽配信、動画配信の利用者を対象に、どのサービスを利用するかを質問した※23。SNSでは「X(旧 Twitter)」の利用率が67.5%で最も高くなった。次いで「Instagram」62.7%、「TikTok」35.3%となった。2024年12月にサービスを開始した「mixi2」の利用率は9.5%であった。音楽配信サービスでは「YouTube Music」の利用率が30.7%で最も高くなった。次いで「Spotify」24.2%、「Apple Music」18.5%となった。動画配信サービス利用者のうち有料サービスでは「Amazonプライムビデオ」の利用率が30.9%で最も高くなった。次いで「Netflix」13.3%、「YouTube Premium」8.9%となった。
※23:利用率上位3項目を抜粋
SNS(全8項目)
「X(旧 Twitter)」、「Threads」、「Facebook」、「Instagram」、「TikTok」、「Pinterest」、「mixi2」「その他」
音楽配信サービス(全10項目)
「Spotify」、「Apple Music」、「YouTube Music」、「Amazon Music Unlimited」、「Rakuten Music」、「LINE Music」、「AWA」、「auスマートパスプレミアムミュージック(旧 auうたパス)」、「dヒッツ」、「その他」
動画配信サービス(全24項目)
「Amazonプライムビデオ」、「Netflix」、「Hulu」、「YouTube Premium」、「U-NEXT(旧 Paraviを含む)」、「ABEMAプレミアム」、「NHKオンデマンド」、「FODプレミアム」、「TELASA」、「テレ東BIZ」、「Lemino(旧 dTV)」、「Disney+」、「DAZN」、「smash.」、「DMMプレミアム(DMM TV)」、「ベースボールLIVE」、「バスケットLIVE」、「SPOTV NOW」、「J SPORTSオンデマンド」、「楽天TV」、「NBA LEAGUE PASS(BASIC PASS含む)」、「WOWOW」、「その他有料動画配信サービス」、「無料動画配信サービスのみ」
2025年も月額料金は4,500円程度で推移する見込み
前回調査との差分をみると、月額料金は7円の微減でほぼ同額となった。携帯電話市場はモバイルナンバーポータビリティ(MNP:番号持ち運び制度)の利用件数が増加傾向で、MNOでは比較的リーズナブルなプランを展開する楽天モバイルやサブブランド(ワイモバイル・UQモバイル)が堅調に契約数を伸ばしている。一方で、データ通信量も増加傾向にあるため、上記ブランドからドコモ、au、ソフトバンクの大容量や無制限プランへシフトするユーザーも増えている。双方のトレンドが拮抗しているため、月額料金としては変化がなかったと分析する。少なくとも今後1年間は4,400-4,500円の間で落ち着くものと予測する。月間データ通信量は上昇傾向ではあるものの、中央値は依然3GBと低く、平均は12.05GB(前回比0.58GB増)にとどまっている。しかし、昨今では料金据え置きでギガ増量という実質値下げを行うプランも目立っており、引き続きデータ通信量は増加の一途をたどるだろう。MM総研ではスマートフォンの月額料金及び利用状況を継続的に分析していく。
■携帯キャリアのブランド定義
MNO4ブランド:NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンク、楽天モバイル
※楽天モバイル:2022年7月調査以降はMNOのみ。2021年12月以前はMVNOを含む
サブブランド:ワイモバイル(ソフトバンク)、UQモバイル(KDDI)
MVNO:MNO4ブランド及びサブブランド以外
■利用者アンケートの調査概要
1. 調査対象:15~69歳の男女
2. 回答件数:プレ調査26,247人/本調査1,487人
3. 調査方法:Webアンケート
4. 調査時期:2025年1月
■報道に際しての注意事項
1. 本プレスリリースは、MM総研が実施した市場調査の結果と分析から一部または全部を抜粋したものです。
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■MM総研について
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