2014年度上期 国内携帯電話端末出荷概況
2014年10月30日
■ 2014年度上期出荷台数は半期別で過去最低の1578万台(前年同期比4.1%減)
■ スマートフォン出荷台数は1050万台(13.7%減)でスマートフォン出荷比率も減少
■ Appleが601万台(シェア38.1%)で半期別台数シェア6期連続1位
■ 2014年度通期は総出荷台数3530万台、うちスマートフォン2510万台と予測
MM総研(東京都・港区、所長・中島 洋)は2014年度上期(2014年4月~2014年9月)の国内携帯電話端末出荷台数(※1)調査結果を発表した。2000年度の統計調査開始以来、過去最低となった2013年度上期出荷台数(1645万台)を下回り、1578万台(前年同期比4.1%減)となった。
スマートフォン出荷台数は同13.7%減の1050万台となった。端末出荷台数に占めるスマートフォン出荷台数比率は66.5%(同7.4ポイント減)となった。
※1:端末出荷台数とはフィーチャーフォンおよびスマートフォンの合計であり、SIMフリー端末は携帯電話事業者(以下、キャリア)を通じて販売される一部端末のみを含む。
出荷台数が減少した要因としては①2013年度下期のキャリアによるインセンティブ施策により買い替え需要が前倒しとなった反動 ②フィーチャーフォン利用者のスマートフォン移行の鈍化 ③スマートフォンの在庫調整――の3点である。また、消費税率上昇に伴う節約志向や様子見姿勢も影響したと分析する。
■メーカー別出荷台数1位はApple
2014年度上期の携帯電話端末のメーカー別出荷台数シェアは、Appleが2011年度下期以降、6半期連続1位となった。出荷台数は601万台でシェア38.1%、2位はシャープ、3位は京セラ、4位は富士通、5位はソニーモバイルコミュニケーションズ(以下ソニーモバイル)の順となった。
スマートフォンのメーカー別出荷台数では、1位Apple(シェア 57.2%)、2位シャープ、3位ソニーモバイルの順となり、上位3メーカーで8割以上を占める結果となった。
2014年度上期スマートフォンの画面サイズ別出荷台数シェアは、「4.0インチ以下」40.8%、「4.5インチ以下」8.8%、「5.0インチ以下」28.1%、「5.5インチ以下」22.0%、「上記以上」0.4%となった。
■2014年度通期は総出荷台数・スマートフォンともに減少の見通し
2014年度通期の総出荷台数は3530万台(10.4%減)と予測。スマートフォン2510万台(15.2%減)、フィーチャーフォン1020万台(4.0%増)となり、2014年度は昨年度よりも台数・構成比ともにフィーチャーフォンが増加。総出荷台数に占めるスマートフォン出荷台数比率は71.1%(4.0ポイント減)となる見通し。
■スマートフォン契約数は2018年度に1億件を突破
MM総研では2014年9月末のスマートフォンとフィーチャーフォンを合わせた携帯電話端末契約数は1億2424万件となり、人口普及率97.8%に達したと分析する(※2)。うち、スマートフォン契約数は6248万件(構成比50.3%)、フィーチャーフォン契約数は6176万件(49.7%)となり、2014年9月に初めてスマートフォン契約数が過半数となった。
※2:総務省統計局による総人口(2014年10月1日現在概算値:1億2709万人)で算出
■MVNOサービスやSIMフリー端末が台頭の可能性も
今後のスマートフォンの進化としては、ディスプレイの性能進化と大型化、次世代高速通信「LTE-Advanced」、生体認証などのセンシング技術、Felica(フェリカ)・NFCを活用したサービスの発展などが想定され、更なる需要喚起が期待される。
携帯電話端末市場の変動要因としては、MVNO サービスや端末メーカーが独自に展開するSIMフリー端末の台頭があげられる。フィーチャーフォン利用者は月額利用料金の上昇を理由にスマートフォンへの移行を敬遠している。利用者に適したサービスと料金体系で手軽にスマートフォンが利用できる、MVNOサービスには更なるポテンシャルがあり、主要キャリア向け携帯電話端末市場とのトレードオフの可能性もあるだろう。
2015年度には主要キャリアのSIMロック解除制度や低料金プラン導入なども想定される。2014年9月末において、依然として携帯電話端末契約数の半分を占めるフィーチャーフォン利用者のマイグレーションを意識した競争が本格化するのは目前である。
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