大賞はマイクロソフトの「Microsoft Copilot」

「MM総研大賞2024」審査結果を発表

2024年06月26日

■大賞は文書・コード・画像の生成を可能にするAIアシスタント「Microsoft Copilot」
■スマートソリューション部門賞はNTT、NEC、KDDI、ティアフォー、さくらインターネット、群馬県/前橋市/群馬県新モビリティサービス推進協議会、NTT東日本、角川ドワンゴ学園、モトローラ・モビリティ・ジャパンなど10件
■審査委員特別賞はデンソーウェーブの「QRコード」が受賞

ⅠCT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、「MM総研大賞2024」(審査委員長:村井純慶應義塾大学教授)の最終審査を終え、「大賞」「スマートソリューション部門賞(分野別最優秀賞)」「審査委員特別賞」を決定した。MM総研大賞はICT市場の発展を促すことを目的に2004年に創設した表彰制度。今回で21回目となる。

最優秀賞にあたる「MM総研大賞」は、受賞対象の中から最もICT市場の発展に寄与すると評価できる技術・サービスを選んだ。次世代のスマート社会を支える技術やサービスを表彰するスマートソリューション部門では、設定した9分野ごとにカテゴリー別の「最優秀賞」を選定。日本のICT市場の発展に対する貢献が高く評価された技術・サービスを「審査委員特別賞」として選出した。

※受賞商品の詳細は下記サイトに掲載しております。 
https://www.m2ri.jp/award/


1. 大賞

 マイクロソフト/『Microsoft Copilot』
「Microsoft Copilot」は文章・コード・画像の生成を可能にするAI(人工知能)アシスタントである。無料でも利用を始めることができ、 Microsoft 365アプリやMicrosoft EdgeのブラウザーといったMicrosoftの主要アプリケーションと連動し、有料版ではより高速なモデルにアクセスが可能となる。生産性向上や効率化、アウトプットの高品質化に貢献し、基盤サービス・製品としての可能性、将来性が高く評価された。これにより、スマートソリューション部門の「生成AI分野」での最優秀賞に加え、今回選出されたすべての技術・サービスの中で最高の評価に値すると判断し、MM総研大賞2024の「大賞」を獲得した。

2. スマートソリューション部門賞
スマートソリューション部門では9分野で、下記10の技術・サービスが最優秀賞に選出された。

■生成AI分野 最優秀賞

マイクロソフト/『Microsoft Copilot』
※大賞を参照。

■日本語LLM分野 最優秀賞

生成AIの利用が世界で急速に進むなか、日本語に最適化した大規模言語モデル(LLM)の開発も進んでいる。この日本語LLMの分野で最優秀賞を獲得したのがNTTとNECである。

NTT/NTT版大規模言語モデル『tsuzumi』
NTT版大規模言語モデル『tsuzumi』は、優れた日本語処理能力だけでなく、高いコストパフォーマンス、柔軟なカスタマイズ、マルチモーダルなどNTTの技術を結集したLLMとなっている。小型軽量という生成AIの新たな流れを作り出す技術として高く評価された。

NEC/NEC開発の生成AI『cotomi』
NECは2023年8月に日本語LLMを他社に先駆け市場に投入。同社が開発した生成AI『cotomi』は、独自に収集加工した多言語データを利用し、高速かつ高い処理能力を実現、クラウド/専用ハードウェア両方での運用も可能にした。すでに顧客企業との検証が進んでいる点も評価された。

■非地上通信分野 最優秀賞

KDDI/『Starlink Business/Satellite Mobile Link』
「Beyond 5G」を見据えた新たな通信インフラとして開発が進んでいるのが非地上通信である。これまで通信環境が整っていなかった場所でもインターネットへの接続が可能となった。この非地上通信分野ではKDDIの『Starlink Business/Satellite Mobile Link』が最優秀賞に選定された。「Starlink」を活用した次世代衛星通信サービスで、従来に比べて大幅に高速かつ低遅延のデータ通信を実現。2024年能登半島地震の被災地復旧対応においても有用性が高く評価された。

■MaaS分野 最優秀賞

群馬県・前橋市・群馬県新モビリティサービス推進協議会 /『GunMaaS』
あらゆる交通手段をシームレスにつなぎ、効率的かつ快適な移動をサービスとして提供するのがMaaS(Mobility as a Service)である。このMaaS分野で最優秀賞に輝いたのが、群馬県・前橋市・群馬県新モビリティサービス推進協議会 による『GunMaaS』である。経路検索から予約・決済などといったMaaSの基本機能に加え、マイナンバーカードを活用し、特定エリアの住民や年齢を対象とした割引制度を展開している点が先進的として高く評価された。

■モビリティ革新分野 最優秀賞

ティアフォー/『自動運転プラットフォーム』
自動運転車の開発が世界的に加速するなど、近年、モビリティ分野の技術革新が進んでいる。このモビリティ革新分野で最優秀賞を獲得したのがティアフォー(名古屋市)の『自動運転プラットフォーム』である。世界中で活用されるオープンソースの自動運転用ソフトウェア「Autoware」の開発を日本企業として主導し、自動運転の発展に貢献。政府・自治体と連携した取り組みと将来性が高く評価された。

■クラウド分野 最優秀賞

さくらインターネット/『さくらのクラウド』
AIに関わるコンピューティングリソースの確保が急務となる中で、クラウドサービス事業者に対する期待が高まっている。このクラウド分野では、さくらインターネットの『さくらのクラウド』が最優秀賞に選出された。高性能なサーバーと拡張性の高いネットワークを構築できるパブリッククラウドとして、国内ベンダー初のガバメントクラウドに条件付きで認定されるなど、次世代の国内クラウド基盤を担うサービスとして高く評価された。

■中小企業DX分野 最優秀賞

NTT東日本/マネージドLANサービス『おまかせITマネージャー』
中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するサービスの需要が高まっている。この中小企業DX分野で最優秀賞に輝いたのがNTT東日本のマネージドLANサービス『おまかせITマネージャー』である。LAN環境の提案・構築からネットワーク機器の監視・分析、トラブル防止や解決までサポート。ネットワーク分野のノウハウが豊富なNTT東日本ならではのサービスであり、その信頼性と先進性が高く評価された。

■教育DX分野 最優秀賞

角川ドワンゴ学園/『N中等部/N高等学校・S高等学校』
教育現場でのICT活用が加速している。この教育DX分野の最優秀賞を獲得したのが学校法人角川ドワンゴ学園の『N中等部/N高等学校・S高等学校』である。最先端のデジタル技術をいち早く導入し、生徒の自発的な学習意欲と探求心を育む独自の学習プログラムを用意。生徒数の規模も約3万人に達するなど、教育DXの先駆者として通信制高校のイメージを大きく変えただけでなく、教育業界の改革者として確かな実績を残している点が高く評価された。

■スマートデバイス分野 最優秀賞

モトローラ・モビリティ・ジャパン/『motorola razr 40/motorola razr 40s』
スマートフォンの新たな形態として折り畳み型のモデルが市場での認知度を広げている。スマートデバイス分野で最優秀賞に輝いたモトローラ・モビリティ・ジャパンの『motorola razr 40/motorola razr 40s』はコストパフォーマンスに優れた縦折り型スマートフォン。日本市場でチャレンジングな端末を投入しながらシェアも伸ばし、オープン市場における2023年度出荷台数のメーカーシェアで3位を獲得した。

 

3. 審査委員特別賞

デンソーウェーブ/『QRコード』
日本のICT市場の発展に対する貢献が高く評価された技術・サービスを表彰する「審査委員特別賞」には、デンソーウェーブ(愛知県知多郡阿久比町)が開発した『QRコード』が選出された。特許権の無償開放を行い、スマートフォンの普及により社会で広く活用され、今年で30周年を迎えた。近年では駅のホームドア開閉制御を行う新型QRコードの「tQR」、決済、セキュリティ等での活用の広がりも高く評価された。
※QRコードは㈱デンソーウェーブの登録商標です。


以上、MM総研大賞2024は、大賞兼スマートソリューション部門賞1件、スマートソリューション部門賞9件、審査委員特別賞1件の合計11件となった。 

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「MM総研大賞2024」概要

【参考1】 MM総研大賞2024の開催主旨
「MM総研大賞」はICT分野の市場の発展を促すためにMM総研が2004年に創設した表彰制度です。2024年度の今回が21回目になります。ICT分野における優れた技術やサービスで新商品や新市場の開拓に取り組んでいる企業を表彰いたします。

【参考2】 表彰対象
1.大賞

2.スマートソリューション部門  (9分野)
①生成AI分野
②日本語LLM分野
③非地上通信分野
④MaaS分野
⑤モビリティ革新分野
⑥クラウド分野
⑦中小企業DX分野
⑧教育DX分野
⑨スマートデバイス分野

3. 審査委員特別賞

【参考3】 評価基準 /評価方法

◆大賞
「スマートソリューション部門賞」「審査委員特別賞」に選出された技術・サービスの中から、審査委員会が「スマート社会への貢献度」「今後のICT産業への影響度」などを選考基準に総合的に決定する。

◆スマートソリューション部門
スマート社会の核となるスマートソリューションが対象。技術やサービス全般に対する「認知度」「信頼性」「使いやすさ」「先進性/革新性」「独創性」「価格妥当性」「市場性」に加え、将来性を計る評価軸として「基盤製品・サービスとしての可能性」(技術やサービスの上に大きな付加価値市場ができ上がる基盤サービス・製品となる可能性)などの項目を評価基準とする。消費者およびビジネスユーザーを対象としたインターネットアンケート(1,500件)、また候補企業に対するMM総研研究員による取材活動などによる評価を基準として、最終的には外部有識者からなる審査委員会の協議により受賞企業を決定する。

◆審査委員特別賞
「審査委員特別賞」の候補となる技術・サービスは外部有識者の審査委員が推挙し、審査委員会の協議により決定する。日本のICT市場の発展に対する貢献が高く評価された技術・サービスを対象とする。

【参考4】 審査委員
審査委員長 村井 純           慶應義塾大学 教授
審査委員  天野 肇           一般社団法人 モビリティ・イノベーション・アライアンス 理事長
審査委員  篠﨑彰彦       九州大学大学院 経済学研究院 教授
審査委員  石戸奈々子    NPO法人 CANVAS 理事長
審査委員  西田宗千佳      フリージャーナリスト
審査委員    小野寺つぐみ   MM総研 研究主任


以上

 

本件に関するお問い合わせ先

(株)MM総研

担 当 : 池澤、上田

所在地 : 105-0011 東京都港区芝公園2-6-3 芝公園フロントタワー

連絡先 : 03-5777-0161

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