動画視聴などエンタメ利用が拡大傾向

「タブレット端末の利用実態調査」(2024年2月調査)

2024年05月07日

■タブレット端末の世帯所有率は31.8%、複数台所有率は5.4%

■OS別シェアはiPadOSが53.4%で最も高い。Android41.5%、Windows5.1%と続く

■タブレット端末の平均購入金額は48,968円。iPadOSが63,499円で最も高い

■1日の平均利用時間は88.4分。「インターネット検索・情報収集」「動画視聴」が利用の双璧

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)はタブレット端末(以下タブレット)の所有・利用状況に関するアンケート調査を実施し、所有しているタブレットや利用時間・機能などの利用実態をまとめた。

タブレットの所有率は31.8%

タブレットの世帯所有状況を質問した結果、31.8%が所有していると回答した。所有台数別では「1台」26.4%、「2台」3.8%、「3台以上」1.6%となり、複数台所有者は5.4%となった。

所有しているタブレットをOS別にみると、「iPadOS」53.4%、「Android」41.5%、「Windows」5.1%となった。回線別では「Wi-Fi」65.4%、「セルラー」34.6%で、サイズ別では「9インチ以上」62.6%、「9インチ未満」37.4%だった。タブレットで利用している機能・サービスは「インターネット検索・情報収集」と「動画視聴」が双璧だった。

タブレットの平均購入金額は48,968円

タブレットの平均購入金額※1,2はタブレット全体で48,968円となった。OS別では、iPadOSが63,499円、Androidが30,632円、Windowsが58,864円となった。最安のAndroidと最高のiPadOSでは倍ほどの差がある結果となった。格安のAndroidタブレットが増えてきた一方、近年iPadの新製品価格が上昇している影響とみられる。

※1:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出
※2:「購入金額」=定価・または割引前の端末の支払総額(消費税を含む)

購入時の参考情報ではメーカー情報が大きく影響

タブレットを購入した際、参考にした情報について質問した結果、「メーカー情報(ウェブサイト・カタログなど)」が39.0%で最も多く、「価格.comやAmazonなどECサイトの情報・レビュー」31.2%、「店頭の展示や販売員の勧め」24.5%の順となった。一方で「新聞や雑誌の広告・記事」は9.8%、「テレビ(番組、CMなど)」は9.1%といずれの広告媒体も10%に届かなかった。

購入時に最も重視した点※3を全18項目から選んでもらったところ、上位5項目は「タブレット本体の価格」28.8%、「操作性・使いやすさ」15.4%、「サイズ・重量」10.4%、「ブランド・人気」7.1%、「利用スマートフォンと同じメーカー」6.6%の順となった。

※3:タブレット購入時の最重視点(全18項目)
「タブレット本体の価格」、「操作性・使いやすさ」、「サイズ・重量」、「ブランド・人気」、「利用スマートフォンと同じメーカー」、「CPU」、「メモリ容量(RAM)」、「ディスプレー(液晶・有機EL、解像度)」、「バッテリー(容量mAh・急速充電対応・ワイヤレス充電対応)」、「データ保存容量(ROM)やメモリカードスロット付き」、「デザイン(色・形状)」、「利用パソコンと同じメーカー」、「メーカーサポート」、「防水・防じん・耐衝撃」、「セルラー対応」、「アクセサリー・周辺機器の充実度」、「カメラ機能」、「その他」

1日の平均利用時間は88.4分。「インターネット検索・情報収集」が多い

月1回以上タブレットを利用する場所※4について質問した結果、最も多かったのは「自宅」で84.9%だった。次いで「職場・学校・塾」が29.1%、「飲食店・カフェ」が21.5%となった。回線別/サイズ別シェアでも過半数を占める「Wi-Fi回線・9インチ以上の画面サイズ」ということからも、タブレットを持ち運ばず、自宅内のみで利用している人が多いと推察する。

1日のタブレット利用時間で最も多かったのは「1時間」で平日22.7%、休日19.4%だった。加重平均により算出した平均利用時間は、平日80.3分/休日96.5分となり、休日の方が利用されていることがわかった。平日と休日を平均した1日の利用時間は88.4分となった。

タブレットで利用している機能・サービスは、「インターネット検索・情報収集」81.6%、「動画視聴」76.7%、「オンラインショッピング」48.7%、「メール・LINEなどの送受信」46.5%、「地図アプリ・ナビゲーション」45.2%が上位5つとなった。

SNS、音楽視聴、動画視聴について、サービスごと※5の利用率、利用者の平均利用時間※6についても分析した。SNSでは全体の利用率は40.7%で、サービスごとでは「X(旧 Twitter)」の利用率が75.1%で最も高く、1週間あたりの利用時間は119分となった。次いで「Instagram」の69.4%(108分)、「Facebook」の55.3%(97分)、「TikTok」の39.4%(172分)、「Pinterest」の29.5%(172分)と続いた。

音楽視聴では全体の利用率は43.1%で、サービスごとでは「YouTube Music」の利用率が41.7%で最も高く、1週間あたりの利用時間は165分となった。次いで「Spotify」が36.5%(196分)、「Apple Music」が33.5%(198分)、「Amazon Music Unlimited」が31.1%(208分)、「LINE Music」が23.5%(189分)となった。

動画視聴では全体の利用率は76.7%で、サービスごとでは「Amazon プライムビデオ」の利用率が47.9%で最も高く、1週間あたりの利用時間は171分となった。次いで「Netflix」が24.2%(236分)、「YouTube Premium」が16.2%(272分)、「U-NEXT(旧 Paravi を含む)」が15.5%(248分)、「NHKオンデマンド」が15.4%(201分)となった。

 

※4:選択肢のうち、利用する場所別の月1回以上の回答を合算して算出
※5:利用率上位5項目を抜粋
SNS(全7項目)(n=667)
「X(旧 Twitter)」、「Threads」、「Facebook」、「Instagram」、「TikTok」、「Pinterest」、「その他」
音楽配信サービス(全10項目)(n=707)
「Spotify」、「Apple Music」、「YouTube Music」、「Amazon Music Unlimited」、「Rakuten Music」、「LINE Music」、「AWA」、「auスマートパスプレミアムミュージック(旧 auうたパス)」、「dヒッツ」、「その他」
有料動画配信サービス(全22項目)(n=1,258)
「Amazonプライムビデオ」、「Netflix」、「Hulu」、「YouTube Premium」、「U-NEXT(旧 Paraviを含む)」、「ABEMAプレミアム」、「NHKオンデマンド」、「FODプレミアム」、「TELASA」、「テレ東BIZ」、「Lemino(旧 dTV)」、「Disney+」、「DAZN」、「smash.」、「DMMプレミアム(DMM TV)」、「ベースボールLIVE」、「バスケットLIVE」、「SPOTV NOW」、「J SPORTSオンデマンド」、「楽天TV」、「NBA LEAGUE PASS(BASIC PASS含む)」、「その他」
※6:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出

テレビ離れがタブレット市場の追い風となるか

タブレットの出荷台数は近年減少傾向であり、特にコンシューマー向け需要は低迷している。回線比率においてもWi-Fiが65.4%と約3分の2を占めており、携帯キャリアによるゼロ円販売などの値引き施策が終了したことが大きく影響している。

画面サイズは9インチ以上が人気を集めており、利用シーンとしては、スマートフォンよりも大きな画面サイズの端末を自宅のWi-Fiネットワークで利用しているケースが多い。利用用途としては、過去の調査結果と比較しても「動画視聴」が大幅に増加している。コロナ禍を経て定額制の動画配信サービスの普及が進んだことに起因すると分析する。

娯楽の多様性やライフスタイルの変化によりテレビ離れが進んでいるが、スマートフォンやタブレットによるテレビコンテンツ視聴は増加している。テレビ以外のデバイスを利用した動画視聴時間は今後もますます拡大すると予測する。そのデバイスとして、①既存のスマートフォン②フォルダブルスマートフォン(折り畳み型)③タブレット④パソコン⑤スマートTV(TVチューナー非搭載型)――が想定されるが、スマートフォンよりも大画面かつ持ち運びも可能、低価格端末も選べるタブレットはやや過小評価されているのではないか。CPUをはじめとしたハードウエアの性能進化によって、職場や学校でのパソコンライクな利用シーンにも適合していくことで、今後の需要回復も期待できるのではないか。MM総研ではタブレットに限らず各種デバイスの利用状況について定期的に調査・分析を継続していく。

 

【タブレット端末の定義】以下を条件にMM総研による分類
①Wi-FiもしくはWi-Fi+3G(以上)の通信機能を搭載
②動画・音楽・電子書籍・学習機能などのコンテンツが利用可能
③6インチ以上のディスプレーを搭載※1
④以下のOSを搭載(iPadOS・Android・Windows)※2
⑤携帯キャリアや端末メーカーがタブレット端末と位置付けている製品
 ※1:6インチ台の携帯キャリア向けセルラー端末はタブレットに含めない
 ※2:Windows RTまたはWindows 8以降のOS搭載のストレート型パソコン(コンバーチブル除く)
 注:今後の製品状況などにより変更する可能性があります

■利用者アンケートの調査概要
1.調査対象:15~69歳の男女
2.回答件数:プレ調査24,414人/本調査1,640人
3.調査方法:Webアンケート
4.調査時期:2024年1~2月

■報道に際しての注意事項
1.本プレスリリースは、MM総研が実施した市場調査の結果と分析から一部または全部を抜粋したものです。
2.報道機関が引用する場合は、出典を「MM総研」と明記してください(MMは全角)。数値などは表ではなくグラフ化して掲載してください。
3.報道機関以外が本プレスリリースの内容を引用・転載する場合は、MM総研による承諾が必要です。
4.MM総研の独自調査結果であり、公的機関の統計や企業の公表数値などと異なることがあります。また、作成時点におけるものであり、今後予告なしに変更されることがあります。
5.本データを報道以外の以下用途で無断利用することを固く禁じます。
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6.調査の詳細、研究員コメント、データ利活用などについては、担当者までお問い合わせ下さい。

■MM総研について
株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀以上にわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。

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連絡先 : 03-5777-0161

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