タブレット出荷は過去10年間で最少

「2022年暦年 タブレット端末出荷台数調査」

2023年03月09日

■2022年暦年出荷は631万台(前年比32.8%減)
■アップルのiPadが13年連続シェア1位
■GIGAスクールの次のステップとなるスマートスクールによる買い替え需要に期待


ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、2022年暦年(2022年1月~12月)の国内タブレット端末の出荷台数を調査し、その結果を発表した。出荷台数は631万台で前年比32.8%減となった。日本でタブレット端末が発売された2010年以降の暦年出荷としては4番目に少なく、2013年以降の10年間では最少となった。

2020年と2021年は小中学校を対象としたGIGAスクール構想による特需で900万台以上を出荷したが、2022年は前年比3分の2に縮小した。実際には2021年3月で小中学校の全国配備が一巡しており、2021年4月以降は低水準が続いている。

【データ1】2022年暦年 国内タブレット端末出荷台数

 

メーカー別出荷台数ではアップルが暦年出荷台数シェア1位の記録を連続13年に延ばした。シェア過半数を維持するも台数は市場全体の減少トレンドを免れなかった。OS別ではアップルのiPadOSに続き、Android、Windowsとなった。

暦年出荷台数は2010年からアップルが1位を継続

2022年暦年のメーカー別出荷台数シェア1位はアップルで、暦年出荷台数として13年連続で1位を獲得した。しかし、2013年以降の10年間で最少となった。2022年にはiPhone同様に円安による価格改定があり、iPad mini(2021年モデル)・iPad Air(2022年モデル)は7月と10月に値上げした。物価高騰で生活費のメリハリ意識が高まるなかで、人気の高いiPadも需要が低下したようだ。2位はマイクロソフト、3位はNECレノボグループ、4位はアマゾン、5位はシャープの順となった。

今後のV字回復に向けてNext GIGAへの期待が高まる

タブレット市場は小中学生への1人1台環境を実現するGIGAスクールが一巡したことで、低水準で推移した。2023年もトレンドに変化はなく、大幅な回復は見込めないだろう。GIGAスクールにおける次のステップとして、端末の配備にとどまらないICTの利活用を推進していくスマートスクール・Next GIGAへの注目が高まっている。2024年以降には買い替え需要によるV字回復も期待される。

 

【タブレット端末の定義】 以下を条件にMM総研による分類
①Wi-FiもしくはWi-Fi+3G回線(以上)の通信機能を搭載
②動画・音楽・電子書籍・学習機能などのコンテンツが利用可能
③6インチ以上のディスプレイを搭載(※1)
④以下のOSを搭載(iPadOS・Android・Windows(※2))
⑤キャリアや端末メーカーがタブレット端末と位置付けている製品
※1:6インチ台のキャリア向けセルラー端末はタブレットに含めない
※2:Windows RTもしくはWindows 8以降のOS搭載のスレート型パソコン(コンバーチブル除く)
注:今後の製品状況等により変更する可能性があります

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