5Gスマートフォン比率が95%に拡大

「2022年(暦年)国内携帯電話端末の出荷台数調査」

2023年02月16日

  • 2022年(暦年)の携帯電話出荷台数は3372.7万台(前年比7.7%減)
  • スマートフォンの出荷台数は3167万台(同6.1%減)
  • 5Gスマートフォンの出荷台数は3007.6万台(同53.4%増)と大きく伸長
  • 端末価格の上昇、物価高騰の影響で2023年も出荷減少が続く見通し

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、2022年暦年(1月~12月)の国内携帯電話端末の出荷台数を調査し、その結果を発表した。2022年暦年の総出荷台数は3372.7万台(前年比7.7%減)となった。内訳をみると、スマートフォン出荷台数が3167万台(同6.1%減)、フィーチャーフォンは205.7万台(同26.5%減)で、総出荷に占めるスマートフォン比率は93.9%で過去最高となった。5Gスマートフォンの出荷台数は3007.6万台(同53.4%増)で、スマートフォン全体の95.0%(前年比36.9ポイント増)を占めるまでに拡大した。フィーチャーフォンは過去最少を更新した。2021年はauの3Gサービス終了(2022年3月)に伴う4G対応フィーチャーフォンの特需があった影響で一時的に回復したが、再び減少に転じた。2023年の市場も端末価格の上昇と物価高による買い替え需要の低迷が見込まれ、出荷台数は減少が続くものと予想する。

国内携帯電話端末の出荷台数推移(暦年)

5Gスマートフォンがスマートフォン出荷全体の95%を占める

2022年のスマートフォン出荷は3167万台で前年比6.1%減少したが、通信方式別の内訳をみると5Gへの移行がほぼ完了した一年といえるだろう。5Gスマートフォンの出荷台数は3007.6万台で、2021年の1960.9万台から53.4%増と大きく伸長。スマートフォン全体の95.0%(前年比36.9ポイント増)を占める結果となった。

5Gスマートフォンの出荷台数

アップルが11年連続トップシェア

2022年のメーカー別総出荷台数シェア1位はアップルで、2012年から11年連続で1位を獲得した。出荷台数は1544.6万台(前年比8.1%減)、総出荷台数シェアで45.8%を獲得。スマートフォンのみの出荷台数シェアでは48.8%)となった。iPhoneは引き続き50%近い高いシェアを維持しているが、台数の減少率はスマートフォン市場全体(6.1%)よりも2ポイント高い8.1%となった。理由としては、①2022年7月に円安による価格改定でiPhone販売価格の値上げが行われたこと②携帯キャリアの新規・MNP獲得競争による極端な端末値引きが沈静化し、その際にiPhoneが販売されていたケースが減少したこと③iPhone 14シリーズ発売初期に人気のiPhone 14 Proが新型コロナ禍の影響もあり、中国の生産工場とサプライチェーンに問題が生じて在庫不足になったこと――の3点であると分析する。

総出荷台数シェアは以下、2位がシャープ、3位がFCNT、4位がサムスン電子、5位がソニー、6位が京セラの順となった。

スマートフォン出荷台数シェアをみると、1位のアップルはシェア48.8%となった。以下、2位がシャープ)、3位がサムスン電子、4位がFCNT、5位がソニーの順となった。

高機能化による単価アップや新規市場への参入を狙う

総務省や公正取引委員会による端末値引きへのけん制や携帯キャリア自身による自浄作用が働いており、2022年11月からiPhoneが一括1円で販売されるケースは激減している。iPhoneは2022年7月の価格改定の影響もあり、台数・シェアが減少する傾向もみられ始めた。物価や光熱費が上昇する中で、端末価格が高いiPhoneを敬遠するユーザーが今後も増加するのか、その結果としてこれまでのように50%近いシェアを維持できるかが大きな焦点となるだろう。

Android市場では4万円未満の低価格モデルの比率が最も高いが、中価格帯比率が上昇する傾向もみられる。Android端末も製造原価の上昇に伴う価格転嫁が起こっている。加えて、買い替えサイクルの長期化とともに機能性を重視する利用者が増えていくことが予想される。4年前後使い続けることを見越して、すぐに陳腐化しない、高機能な端末を求める購買行動が広がることで、スマートフォンの平均単価は上昇していくと分析する。台数規模としては大幅な回復が見込めないスマートフォン市場において、高機能化、オープン市場への参入、フォルダブルなど新セグメントへの製品投入など、様々な工夫で台数と平均単価を押し上げていく各メーカーの戦略に注目したい。

 

■携帯電話出荷台数に含まれる端末
① 従来型携帯電話(以下、フィーチャーフォン。Android OSの二つ折り端末を含む)
② スマートフォン
 ・通信事業者別(5分類):1.ドコモ、2.KDDI(au・UQモバイル含む)、3.ソフトバンク(ワイモバイル含む)、4.楽天モバイル、5.オープン(メーカー直販やMVNO・量販店・ECサイトなどを経由して販売されるSIMフリー端末)
③ 総出荷台数(①+②)

■スマートフォンの定義 以下を条件としてMM総研による分類
①以下OSを搭載 (Android、iOS、Windows)
②音声通話が可能 (画面7インチ以上でヘッドセット利用を想定した端末は含まない)
③アプリやソフトウェアなどのカスタマイズが可能
④OS環境として(アプリ)開発仕様が公開されていること
⑤キャリアおよびメーカーがスマートフォンと位置づけている製品
 ※調査時点のため、今後の端末発売状況などに応じて予告なしに変更する可能性があります

■報道に際しての注意事項
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2. 報道機関が引用する場合は、出典を「MM総研」と明記してください(MMは全角)。数値等は表ではなくグラフ化して掲載してください。
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■MM総研について
株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀近くにわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。

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