自宅での5G体感率の向上が大きな課題

スマートフォンの利用場所と5G通信の対応状況調査(2022年7月時点)

2022年12月21日

■5Gスマートフォンの利用場所では「自宅」が94.4%で最も多く、次いで「職場・学校」が61.2%

■5Gを体感できる場所(5G体感エリア)では「自宅」が47.9%、「移動中の電車・バス」が41.3%

■5G体感率(利用した場所において5Gを体感できた比率)では「駅」が81.8%で最多

■最も5Gスマートフォンを利用する「自宅」の5G体感率は50.7%にとどまる

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称 MMRI、東京都港区、関口和一所長)は12月21日、5Gスマートフォン利用者(6,353人)にWebアンケート調査を実施し、5Gスマートフォンの利用場所と5G通信に対応していると体感できる場所(5G体感エリア)について分析した。調査結果から、利用場所では「自宅」が94.4%と最も多かったが、5G通信を体感できる場所としては47.9%にとどまるなど、利用実態に5G通信の環境が追いついていない現状が明らかとなった。

5Gスマートフォンの利用場所において5Gを体感できた比率を5G体感率として算出すると、最も高かったのが「駅」で81.8%、次いで「職場・学校」が54.7%。最も利用する「自宅」は50.7%となった。

【データ1】5Gスマートフォンの利用場所と5G体感率の比較(複数回答)

※本調査では以下の定義に沿ってアンケート結果を分析した。
「5Gスマートフォン利用者」:5G通信プランを契約し、5G対応スマートフォンを利用しているユーザー

■5G体感率が最も高い場所は「駅」

はじめに本調査では5Gスマートフォンの利用場所と5G通信を体感できる場所(5G体感エリア)を確認した。その結果、スマートフォンの利用場所では「自宅」が94.4%で最も多く、「職場・学校」が61.2%、「移動中の電車・バスの中」が41.3%で続く結果となった。5G体感エリアとしては「自宅」が47.9%、ついで「職場・学校」が33.4%、「駅」が29.8%となった(データ1)

5Gスマートフォンの利用場所と5G体感エリアを比較すると、「自宅」は利用場所として9割以上(94.4%)を占めるものの、5G体感エリアは5割(47.9%)にとどまり、その差は46.5ポイントと最も大きな差がついた場所となった。「自宅」以外で、利用場所と体感エリアに大きな差が生じた場所は、「職場・学校」が27.8ポイント、「飲食店」が24.3ポイント、「移動中の電車・バスの中」が21.8ポイントとなった。

次に5Gスマートフォンの利用場所における5G体感エリアの割合を5G体感率として算出した。その結果、5G体感率が最も高かったのは「駅」の81.8%だった。次いで「職場・学校」が54.7%、「自宅」が50.7%、「移動中の車の中」が51.2%となった。

「移動中の電車・バスの中」は利用場所としては3位と高いが、5G体感率ではやや低い結果となった。SNSや動画閲覧などデータ通信を用いたコンテンツを消費する機会が多いこともあり、5G体感率の向上は5G利用の満足度向上を図る上での課題といえるだろう。「イベント会場・スタジアム」は利用場所としての割合、5G体感率ともに低いが、大規模イベント会場やスポーツスタジアムでは、5Gを活用した自由視点映像(マルチアングル映像)の提供などに向けた準備が着々と進んでいる。こうしたスマートスタジアムの環境整備が整えば5G体感率の大幅な向上が期待でき、5Gの魅力を強く訴求できる代表的な場所ともなりうるだろう。

人口規模別では公共交通での利用に大きな差

スマートフォン利用者の居住地とその利用状況について、都道府県の人口規模別に分析したところ、人口規模200万人以上と200万人未満で利用場所に違いが見られた。最も差が大きかったのは「移動中の電車・バスの中」と「駅」だった(データ2)。人口200万人以上では利用率が高く、200万人未満では利用率が低い結果となった。

※都道府県別の人口は、総務省の「令和4年1月1日住民基本台帳年齢階級別人口(都道府県別)」を参照した。各カテゴリの定義と、含まれる都道府県は下記の通り。並びは人口数の多い順。

・人口200万人以上(東京都、神奈川県、大阪府、愛知県、埼玉県、千葉県、兵庫県、北海道、福岡県、静岡県、茨城県、広島県、京都府、宮城県、新潟県、長野県)

・人口200万人未満(岐阜県、群馬県、栃木県、岡山県、福島県、三重県、熊本県、鹿児島県、沖縄県、滋賀県、愛媛県、山口県、奈良県、長崎県、青森県、岩手県、大分県、石川県、宮崎県、山形県、富山県、香川県、秋田県、和歌山県、山梨県、佐賀県、福井県、徳島県、高知県、島根県、鳥取県)

【データ2】都道府県の人口規模別×スマートフォンの利用場所(複数回答)

5Gスマートフォン利用者

「駅」と「移動中の電車・バスの中」における5G体感エリアを比較すると、人口200万人以上の都道府県の方が人口200万人未満よりも15ポイント程度高かった。人口が多い都道府県では公共交通網を利用して移動する機会が多い。スマートフォンを利用する機会や頻度も増えるため、5Gの整備も優先的に進められている。これに対し、人口200万人未満で体感エリアが上回ったのは「移動中の車の中」と「スーパー・ショッピングセンター」のみであった(データ3)

【データ3】都道府県の人口規模別×5G体感エリア(複数回答)

 


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