5Gスマートフォン出荷比率は72%に拡大も低価格化が進む

「5Gスマートフォン市場動向」

2022年04月20日

■5Gスマートフォン出荷台数は2020年625.3万台、2021年1960.9万台

■5G比率は2020年20.8%、2021年58.1%、2021年10-12月期は72.1%に拡大

■5Gのメーカーシェアはアップルが57.4%で1位、スマホ全体でのシェア49.8%を上回る

■価格帯別では「9万円以上」が62.4%(2021年)、2021年から18.5ポイント減少するなど低価格化が進む

概要

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、5G対応スマートフォンの市場動向を調査し、その結果を発表した。5Gスマートフォン出荷台数は2020年が625.3万台、2021年が1960.9万台で、累計出荷は約2586.2万台となった。各年のスマートフォン出荷に占める5G比率は20.8%、58.1%となった。四半期推移でみると、出荷が開始された2020年1-3月期は3.9%であったが、5G対応のiPhone12シリーズが発売された2020年10-12月期には49.6%に拡大した。国内のスマートフォン市場はアップルが約半数を占めており、iPhone12シリーズが全て5Gに対応したことが大きく影響した。2021年4-6月期はiPhoneも新シリーズ発売を控えて落ちつく時期のため5G比率は46.3%に下がった。しかし、2021年9月にはiPhone13シリーズ4機種が一斉発売されたこと、Androidのラインアップも充実したことで再び上昇。2021年10-12月期には72.1%まで拡大した。

【データ1】スマートフォン出荷に占める5G対応比率(四半期推移)

5Gスマートフォンのメーカーシェア1位はアップル

2021年のスマートフォン出荷台数のメーカー別シェアをみると、上位6社はアップル、シャープ、サムスン電子、ソニー、FCNT、京セラの順となり、6社合計は約88%となった。5Gスマートフォン市場(1960.9万台)に限定したシェアでは、アップル、シャープ、サムスン電子、ソニー、オッポ、グーグルの順となり、6社合計は約92%となった。上位4社の順位は全体と同じとなった。

【データ2】メーカー別スマートフォン出荷台数シェア(左:全体/右:5G)

※全体、5Gともに2021年のシェア上位6メーカー

5Gスマートフォンも低価格化が進む

MM総研が実施した利用者アンケートの結果では、スマートフォン購入時の重視ポイントとして端末価格への意識が最も高くなった。ユーザーは自分の利用状況に適した必要十分な製品を選ぶ傾向が高まっているといえるだろう。今回、発売時の販売価格(税込)を採用して価格帯別の出荷台数構成比を分析した(※1)。その結果、4Gと5Gともに2020年と2021年の価格帯別構成比は低価格帯の比率が上昇していることがわかる。

 

※1:発売後の価格改定・店頭キャンペーン・端末値引により変動する価格は考慮しない発売日時点での販売価格(一括販売価格)で分析。iPhoneなど複数容量が存在する端末は最小容量(=最安価格)の価格を採用(一部のオープ端末を除く)。

【データ3】価格帯別の出荷台数構成比

5Gでは「9万円以上」が2020年で出荷構成比の80.9%を占めていたが、2021年には62.4%と18.5ポイント減少している。2020年では実績ゼロであった「3万円未満」は2021年では8.8%となり、「3万円以上5万円未満」も2020年の0.8%から2021年には11.1%と10.3ポイント上昇した。

 

4Gでは「3万円未満」が2020年の13.6%から2021年には26.1%と12.5ポイント上昇した。2022年に入ると高齢層をターゲットした端末や、フィーチャーフォン利用者の買い替え促進を意識した2~3万円台の低価格端末のラインアップも増加。3月に5G対応したiPhone SE(第三世代)が発売されたことで、2022年には現在シェア1位であるアップルの大部分が5G対応になることが想定される。また、上記2つの理由により、5Gスマートフォンの更なる低価格シフトが進むだろう。

 

世界的な半導体不足により、一部の電化製品の値上げが発表されている状況となっている。国内スマートフォン市場においては、半導体不足による値上げの実態は見受けられないが、物流や製造原価の上昇、円安の影響といった価格上昇リスクは存在する。価格を抑えて必要十分な端末を選ぶというユーザー意識が高まる中で、価格と訴求ポイントの最適化がメーカーには求められている。


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