GIGAスクールと在宅特需の反動で出荷台数は大幅減

「2021年度上半期 国内パソコン出荷台数調査」

2021年12月01日

■2021年度上半期の出荷台数は591.4万台で前年度同期比25.6%の減少

■2021年度下半期も反動減が続き40.3%の減少を見込む

■半導体不足の影響が色濃く、回復は2022年度下半期以降に

 

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称 MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、「2021年度上半期国内パソコン出荷台数」を調査し概要をまとめた。2021年度上半期の国内パソコン出荷台数は591.4万台(前年度同期比25.6%減)と大幅な減少となった。

特需反動、響く

2020年度の「GIGAスクール」(国公立の小中学生1人に1台のPC端末を配布する政府プロジェクト)特需、コロナ禍による在宅勤務用パソコン特需の反動が出た。メーカーシェアでは、NECレノボが150.1万台を出荷し、シェア25.4%でトップとなったが、出荷台数は前年度同期比44.4%減、シェアは同8.6ポイント減と大きな落ち込みとなった。GIGAスクール特需のなかでWindows、Chromebookの両製品を展開し大幅に出荷台数とシェアを伸ばしたが、今期はその特需反動が大きく響いた。

2021年度下半期の市場も反動減が続く見込みであり、減少幅は上半期を上回る40.3%の減少を見込む。半導体を中心とする部品不足の影響もあり法人市場で需要と供給が一致せず、需要減退が見られる。買い替え需要が回復するのは2022年度下半期以降と予測する。

 

【データ1】2021年度上半期国内パソコン出荷実績

 

個人向け出荷は在宅特需の反動で19%減

個人向け出荷台数は198.1万台、前年度同期比19%減となった。2020年度の新型コロナ流行による在宅勤務や在宅学習の増加による反動が響いた。アップルが独自CPUを搭載した新型機を投入した効果、上位メーカーで唯一出荷台数を伸ばしシェア2位となった(データ2)。そのアップルも冬商戦では半導体不足の影響を受ける可能性がありそうだ。

【データ2】個人向け出荷台数

 

法人向け出荷はGIGAスクール特需反動で減少

法人市場は、教育市場でのGIGAスクール需要の反動で、前年度同期比28.5%減の393.3万台となった(データ3)。GIGAスクール需要を除いても17%減と振るわない。法人市場では半導体など部品不足の影響で回復の足かせとなっている。大手の法人ユーザーはプロセッサ(CPU)を選ぶにあたって、最新世代でなくアプリケーション検証の取れた旧世代のCPUを採用することが多く、最新世代の高性能CPUの供給を優先するCPUメーカーとギャップがある。部品不足はCPU以外にも広がっており、市場回復の足を鈍らせる大きな要因となっている。 

【データ3】法人向け出荷台数

 

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