20年度通期スマートフォン出荷台数は過去最高を記録 うち5Gスマートフォンは1101.1万台(5G比率33.6%)

2020年度通期 国内携帯電話端末の出荷台数調査

2021年05月18日

■20年度通期の携帯電話出荷台数は3511万台(前年度比12.3%増)

■スマートフォンは3275.7万台で過去最高

■5G対応スマートフォンは1101.1万台(5G比率33.6%)

■楽天MNO開始でSIMフリースマートフォンは428.7万台(前年度比42.4%増)で過去最高

■21年度通期スマートフォンは3444万台、うち5G対応は2271万台(5G比率65.9%)と予測

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、2020年度通期(2020年4月~2021年3月)の国内携帯電話端末の出荷台数を調査し、その結果を発表した。2020年度通期の総出荷台数は前年度比12.3%増の3511万台となった。内訳はスマートフォン出荷台数が3275.7万台(16.9%増)、フィーチャーフォンは235.3万台(27.1%減)となった。スマートフォン出荷台数は2017年度(3258万台)を僅かながら上回り、年度別で過去最高を記録した。特に、SIMフリースマートフォン出荷台数は428.7万台(42.4%増)で過去最高となり、スマートフォン出荷台数に占めるSIMフリー比率は13.1%(2.4ポイント増)に拡大した。2020年4月にMNOサービスを開始した楽天モバイルが1年間無料サービスを展開するなど、後発ならではの戦略が奏功したと分析する。一方、フィーチャーフォン出荷台数は昨年に引き続き2000年度以降で過去最少となった。2020年度通期5Gスマートフォン出荷台数は1101.1万台で2019年度(26.9万台)から約41倍となった。スマートフォン出荷台数に占める5G比率は33.6%(32.6ポイント増)となった。2020年10月と11月に発売されたiPhone12シリーズ4モデルが全て5G対応となったことで、下期の5G対応出荷台数が急増した。  

Appleが9年連続で1位を獲得

 2020年度のメーカー別出荷台数シェア1位はAppleで、9年連続で1位を獲得した。以下、2位シャープ、3位Samsung、4位富士通コネクテッドテクノロジーズ、5位京セラ、6位ソニーモバイルコミュニケーションズの順となった。
スマートフォン市場(SIMフリー含む)の出荷台数シェアは1位がAppleとなった。以下、2位シャープ、3位Samsung、4位富士通コネクテッドテクノロジーズ、5位ソニーモバイルコミュニケーションズとなった。

21年度スマートフォンは3444万台、5G対応は2271万台(65.9%)と予測

2021年度の総出荷台数予測は前年度比4.3%増の3662万台、うちスマートフォン出荷台数は2021年度3444万台(スマートフォン比率94%)と予測する。5Gスマートフォン出荷2271万台で2020年度から倍増し、スマートフォン市場に占める5G比率も65.9%にまで拡大する見通しである。今後は3Gサービスが各社順次終了に向かっていく。まずはauが2022年3月末でサービスを終了するが、21年度は3G停波に向けたスマートフォンへの乗り換え促進も強化されることが想定される。スタートダッシュに成功した楽天モバイルが2021年度以降も引き続き好調を維持して競争を促進できるかが、スマートフォン出荷台数の変動にも大きく影響していくだろう。過去最高を記録した2020年度を上回る規模が期待できる2021年度スマートフォン市場であるが、一つ懸念されることがある。世界的な半導体の供給不足である。新型コロナの影響もあり、メーカーは半導体調達が滞ることで生産スケジュールの見通しが立ちにくい状況となってしまっている。
2020年度は楽天のMNOサービス開始で始まった。加えて年度末に登場した大手キャリアのオンライン契約プランは新たな競争環境の幕開けを予感させるには十分である。今後もMNO・サブブランド・MVNO各社の戦略とスマートフォンを展開するメーカーの動向から目が離せない。

  

■携帯電話出荷台数に含まれる端末
① 従来型携帯電話(以下、フィーチャーフォン。Android OSの二つ折り端末を含む)
② スマートフォン
 ・回線ブランド別(7分類):NTTドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイル(Y!mobile)、UQ、楽天、その他SIMフリー
 ・SIMロックフリー:UQ、楽天、その他SIMフリー(メーカー直販やMVNO・量販店・代理店等を経由して販売)が含まれる。以下、SIMフリーと記載
③ 総出荷台数(①+②)

■スマートフォンの定義】以下を条件としてMM総研による分類
①以下OSを搭載 (Android、iOS、Windows)
②音声通話が可能 (画面7インチ以上でヘッドセット利用を想定した端末は含まない)
③アプリやソフトウェア等のカスタマイズが可能
④OS環境として(アプリ)開発仕様が公開されていること
⑤キャリア及びメーカーがスマートフォンと位置づけている製品
※調査時点のため、今後の端末発売状況等に応じて予告なしに変更する可能性があります


 

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