楽天MNOサービス開始でSIMフリースマホ急増
「2020年(暦年)国内携帯電話端末の出荷台数調査」
2021年02月10日
■2020年(暦年)の携帯電話出荷台数は3246.5万台(前年比2.9%減)で、そのうちスマートフォンは3007.5万台(1.3%増)
■楽天MNO開始でSIMフリースマートフォンは387.9万台(前年比25.3%増)となり、スマートフォン全体の12.9%に拡大
■5Gスマートフォン出荷台数は625.3万台でスマートフォン全体の20.8%を占める
2020年暦年の総出荷台数は3246.5万台
ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、2020年暦年(1月~12月)の国内携帯電話端末の出荷台数を調査し、その結果を発表した。2020年暦年の総出荷台数は3246.5万台(前年比2.9%減)となった。内訳をみると、スマートフォン出荷台数が3007.5万台(1.3%増)で2年ぶりの3000万台越え、フィーチャーフォンは239万台(36.3%減)(データ1)。総出荷台数は2007年以降の暦年出荷台数としては2019年を下回り二年連続で過去最低だったが、新型コロナウイルスの感染が拡大するなかで前年比2.9%減に留まったことはスマートフォン需要の底堅さを表しているともいえる。
SIMフリースマートフォン出荷台数は387.9万台で前年比25.3%増え、スマートフォン全体の12.9%(前年比2.5ポイント増)を占める結果となった。2020年4月にMNOサービスを開始した楽天モバイルの端末販売がSIMフリー台数の上昇に大きく貢献した。その他フィーチャーフォン利用者に対するスマートフォン移行の促進を各キャリアが積極的に進めていることが影響している。
フィーチャーフォン利用者が大部分を占める3Gサービスは順次終了予定で、まずauが2022年3月末に3Gサービスを終了する予定。
データ1.国内携帯電話端末の出荷台数推移(暦年)
Appleが暦年出荷で9年連続1位を獲得
2020年のメーカー別総出荷台数シェア1位はAppleで、2012年から9年連続で1位を獲得した(データ2)。2020年は新型コロナの影響もあって、新モデル(iPhone12シリーズ)の発売は例年よりも遅い10月および11月に各2モデルとなった。全4モデルが5G対応となっており、5G対応端末台数が一気に上昇した。
総出荷台数シェア2位はシャープ、3位はSamsung、4位は富士通コネクテッドテクノロジーズ、5位は京セラ、6位はソニーモバイルコミュニケーションズの順となった。
スマートフォン出荷台数に占めるシェアを見ると、1位はAppleの1398.4万台(シェア46.5%)、2位はシャープ、3位はSamsung、4位はソニーモバイルコミュニケーションズ、5位は富士通コネクテッドテクノロジーズの順となった(データ3)。
上位メーカーの中で2019年からの増加が最も顕著だったのはSamsungで、次いで富士通コネクテッドテクノロジーズとなった。
SamsungはGalaxy A20/30シリーズの廉価モデルが、フィーチャーフォン利用者からの乗り換え客が初めて持つスマートフォンとして支持を集めた。富士通コネクテッドテクノロジーズもarrowsシリーズとらくらくスマートフォンがスマートフォン初心者向け端末として高い評価を集めたことが出荷増につながった。
データ2. 2020年携帯電話総出荷台数シェア
データ3. 2020年スマートフォン出荷台数シェア
5Gスマートフォン出荷台数は625.3万台
「5G元年」となった2020年の5Gスマートフォン出荷台数は625.3万台でスマートフォン全体の20.8%となった。10-12月期に出荷台数が増加したのはこの年10月発売のiPhone12シリーズによる効果が大きい。2020年5Gスマートフォン出荷台数に占めるOSシェアはiOSが57%で一歩リードした。
2021年春は価格を抑えたAndroid 5Gスマートフォンも複数モデル発売される見通しで、2021年は5G端末の普及が更に進むだろう。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクによるオンラインサブブランドも3月からサービス開始予定であり、楽天モバイルやMVNOを含めた競争激化に伴い、2021年のスマートフォン出荷は2020年を上回るものと予測される。
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