アプリダウンロード以外は快適に利用できる水準まで品質が向上

「MVNOネットワーク品質調査」(2020年10月末時点)

2020年10月28日

■Web表示を最も快適に閲覧できたのはOCNモバイルONE
■OCNモバイルONEが評価指標6項目の内、3項目で最高評価を獲得
■全ての項目でストレスなく利用できるレベル(基準値)をクリアしたのは、OCNモバイルONE、mineo、BIGLOBEモバイル(au回線)、LINEモバイル

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は主要な国内MVNO事業者のネットワーク品質を調査し、その結果をまとめた。調査対象はOCNモバイルONE、mineo、BIGLOBEモバイル、LINEモバイル、IIJ mioの5サービス。また、参考比較として大手通信事業者(MNO)のサブブランドであるY!mobile、UQモバイルに対しても同様の調査を行った。評価指標は、Web表示の快適さなど6項目を設定し、5段階評価(最低評価1点~最高評価5点)を実施した。

MVNOはMNOから回線を借りてサービスを提供しており、限られた帯域の中でトラフィックをコントロールしている。調査結果では、主要5サービスともWeb表示、マップ表示に関しては、おおむね基準値(5段階評価で3点)をクリアしておりストレスなく利用できる水準であった。その中でも、混雑時を含めWebサイトを最も快適に閲覧できた事業者は、ドコモ回線のOCNモバイルONE(4.67点)であった(データ1)

ドコモ回線、au回線、ソフトバンク回線ごとに、その回線を利用するMVNOサービスとサブブランドの調査結果を見てみると、ドコモ回線ではOCNモバイルONEの評価が総合的に高かった。すべての項目において基準値を大幅にクリアしている(データ1)

【データ1】

au回線では、BIGLOBEモバイルが各項目で高い評価結果となった(データ2)。サブブランドのUQモバイルの評価も総合的に高かった。これまでの調査では、動画再生の画質が良く通信量が多かったためギガ消費が課題であったが今回調査では改善がみられた。

【データ2】

ソフトバンク回線のLINEモバイルはアプリダウンロードが早く高評価となった。また、動画再生でも高画質での再生が可能だ。サブブランドのY!mobileの評価も総合的に高かった(データ3)

 【データ3】

調査は2020年10月13日(火)、14日(水)の2日間。計測時間帯はいずれも帯域の奪い合いを考慮して、各日とも8時30分前後、12時30分前後、19時30分前後に実施した。計測用のデバイスはApple製SIMフリースマートフォン「iPhone8」をSIMと同数台使用。調査では、通信速度以外にも実際に利用した際の『快適さ』を比較する指標として以下の評価項目で回線品質を評価した。

①Web表示の快適さ、②マップ表示の快適さ、③動画再生(動画再生時の遅延、動画再生途中での停止・画質)、④ギガ消費(動画再生時のザッピングをした際のデータ消費量)、⑤アプリダウンロード、⑥通信速度各項目を5段階で評価し、ストレスなく利用できる品質を3点(基準値)に設定。各基準値は事前計測結果、アンケート結果および有識者会議により決定した(データ4)。調査結果はサービスごとにレーダーチャートで表した(データ5.6.7)

【データ4】

【データ5】

【データ6】

【データ7】

Webサイト・マップ表示はお昼の混雑時やや遅くなることも

Webサイトの表示状況(データ8)では、サンプルのサイトとしてMM総研ホームページを表示。マップ表示(データ8)では、「新宿」を検索し表示完了までの時間を計測した。表示完了までの時間「10秒未満」を基準値に設定。お昼の混雑時でも今回調査した7事業者(10サービス)中、9サービスが基準値をクリア。中でも快適に閲覧できた事業者は、ドコモ回線のOCNモバイルONE、サブブランドのUQモバイル、Y!mobile。その他の時間帯ではおおむね基準値をクリアする結果となった。

【データ8】

スムーズな動画再生が可能

動画再生で遅延の有無、再生停止の有無、再生時の画質を調査した(データ9)。YouTubeアプリで4分10秒の動画を再生し終了時点の時間を計測する。これにより通信速度比較ではわからない使用時の快適さが評価できる。計測は動画再生が最も多い夜の時間帯に実施した。今回調査したすべてのサービスで再生遅延や途中停止がなくスムーズに再生できた。しかし、各サービスで動画再生時の画質に変化がみられた。YouTube動画では再生途中もネットワーク状況等により画質が変化する。

【データ9】

動画の先読み(バッファ)量を抑制することによりギガ消費を少なく

複数の動画を同時に再生し、各社のギガ消費に関して調査した(データ9)。4分10秒の動画を3本用意しストリーミング再生。30秒再生時点で2本目の動画を再生し、さらに30秒再生時点で3本目の動画を再生するという計測方法で計測した。高画質で動画を再生すると通常ギガ消費も多くなる。ドコモ回線ではIIJ mio、ソフトバンク回線ではLINEモバイルが高画質(720p)で再生していた。

※各調査とも調査前に履歴、キャッシュを削除し計測している。

アプリダウンロードでは差

アプリダウンロードでは、約140MBのアプリをダウンロードし、アプリダウンロード完了までの時間を計測し評価した(データ9)。基準値をクリアした事業者は、ドコモ回線のOCNモバイルONE、mineo、au回線のBIGLOBEモバイル、mineoとなった。

レーダーチャートにて総合的にみるとドコモ回線では、OCNモバイルONE、au回線ではBIGLOBEモバイル、ソフトバンク回線ではLINEモバイルが高品質を維持している。

今後もMM総研では、実際に利用した際の『快適さ』をわかりやすく伝えていきたい。

【データ10】

 

■調査概要
調査期間 :2020年10月13日(火)、14日(水)
調査時間 :8時~9時、12時~13時、19時~21時
調査場所 :東京都港区
調査SIM  :ドコモ回線(OCNモバイルONE、mineo、BIGLOBEモバイル、LINEモバイル、IIJ mio)
au回線(UQモバイル、BIGLOBEモバイル、mineo)
ソフトバンク回線(Y!mobile、LINEモバイル)
調査端末 :Apple製SIMフリースマートフォン「iPhone8」
動画再生 :「YouTube」アプリで4分10秒の動画を再生
ギガ消費 :「YouTube」アプリで4分10秒の動画を30秒再生後、別の4分10秒動画を30秒再生、さらに別の4分10秒動画を30秒再生しデータ使用量を計測(計測前にキャッシュ、履歴は削除)
Web表示 :ChromeにてMM総研ホームページを表示
マップ表示:Chromeにて新宿を検索表示
速度調査  :「Speedtest by Ookla」アプリを使用し10回の中央値
※計測は同時間帯で複数回調査し、帯域の奪い合い等を考慮した計測を行った。

 


 ■注意事項
1. 本プレスリリースは、MM総研が実施した市場調査の結果と分析から一部または全部を抜粋したものです。
2. 報道機関が引用する場合は、出典を「MM総研」と明記してください(MMは全角)。数値等は表ではなくグラフ化して掲載してください。
3. 報道機関以外が本プレスリリースの内容を引用・転載する場合は、MM総研による承諾が必要です。
4. MM総研の独自調査結果であり、公的機関の統計や企業の公表数値等と異なることがあります。また、データ・資料は、作成時点におけるものであり、今後予告なしに変更されることがあります。
5. 本データを報道以外の以下用途で無断利用することを固く禁じます。
 -プロモーション(広告・販売促進資料・ホームページ掲載・チラシなど外部に発信する資料・データ)
 -セミナー・講演会
 -その他、営業目的・営利目的での使用
6. 調査の詳細、研究員コメント、データ利活用などについては、担当者までお問い合わせ下さい。

■MM総研について
株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀にわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。

本件に関するお問い合わせ先

(株)MM総研

担 当 : 横田、石塚、作山

所在地 : 105-0011 東京都港区芝公園2-6-3 芝公園フロントタワー

連絡先 : 03-5777-0161

電話をかけるお問い合わせ

おすすめのプレスリリース