5Gプランの月額料金アップ許容額は平均1,424円

20年度の5Gスマートフォン市場は最大580万台と予測(MM総研調査)

2020年03月12日

■ 5Gサービスの違いについての認知度は32%。

■ 5Gプランの月額料金アップ許容額は、値上げ容認ユーザーでは平均1,424円

■ 5Gスマホの端末の値上げ許容額は、値上げ容認ユーザーでは平均8,342円

■ 2020年度5Gスマートフォン市場は最大580万台(スマートフォン年間市場の20%)と予測

■ 楽天MNOサービスの認知度は55%

 MM総研(東京都港区、所長・関口 和一)はWEBアンケートに方式で「2019年10月の電気通信事業法改正に伴う料金プランの変更」「楽天MNO参入」「5Gスマートフォン」――に関するユーザー意識調査を実施、結果を発表した。

電気通信事業法の一部改正に伴う料金変更点の認知度は3割以下と低い

 通信事業法の一部改正に伴う、料金の大きな変更点として①解約更新月以外での解約違約金を1,000円に減額②端末値引き額の上限が2万円――の2点について、認知状況を質問した。その結果、「具体的な内容を含めて知っていた」と回答した比率は①については29.5%、②は20.2%となった。「何かしら変更があったことは知っていた」の回答を含めた認知度は①では70.8%、②は52.7%となり、解約違約金が1,000円になった変更点の方が認知度は高いことがわかった。

解約違約金の減額に関係なく「キャリアを変更したくない」ユーザーは7

 今後のキャリア変更(MNP)意向について質問した結果、「解約違約金が従来(最大9,500円程度)のままでも別の会社に変更したい」は7.1%、「解約違約金が1,000円に安くなったので別の会社に変更したい」が24.1%、「解約違約金が1,000円に安くなっても別の会社に変更したくない」が68.8%となった。約7割のユーザーは解約違約金の減額に関係なく、キャリア変更の意向がない回答結果となった。

今後は従来よりも低価格な端末が好まれ、買い換えサイクルの長期化が進行する兆し

 端末価格の値引き額上限が2万円となったことで、今後購入する際に価格がどのように影響するかを質問した結果、「今よりも価格が高くてより高機能なスマートフォンを購入したい」が10.7%、「今と同様の価格帯のスマートフォンを購入したい」は60.5%、「今よりも安くて機能が限定されたスマートフォンを購入したい」28.8%となった。今までよりも価格帯が安い端末を選択する傾向が強まることが窺える。
 今後の買い替えサイクル意向についても質問した。「今よりも長い期間(サイクル)でスマートフォンを買い替えたい」は35.9%、「今と同様の期間でスマートフォンを買い替えたい」54.5%、「今よりも短い期間でスマートフォンを買い替えたい」の9.6%となった。
 以上のユーザー意識からは、電気通信事業法の一部改正に伴う販売方法や料金プランの変更によって従来よりもミドル・廉価端末の比率が増加し、買い替えサイクルの長期化が進行する傾向が窺える結果となった。

楽天MNOサービス開始の認知度は55

 4月にMNOサービスを正式スタートさせる予定の楽天の携帯電話サービスに関する認知度について質問した。結果は「楽天が既にMVNOサービスを提供していることも、今後MNOサービスを開始することも知っていた」が33.5%、「楽天がMVNOサービスを提供していることは知っていた」が14.8%、「楽天が今後MNOサービスを開始することは知っていた」が21.3%で、「楽天がMVNOサービスを提供していることも、今後MNOサービスを開始することも知らなかった」が30.5%となった。楽天によるMNOサービスについての認知度は約55%となる。

5Gサービスの違いに関する認知度は32%。言葉のみの認知度は88

 2020年3月に始まるスマートフォンによる5G商用サービスについても認知度を質問した。その結果、「5Gの違いを含めて知っていた」は31.7%、「5Gという言葉のみは知っていた」が56.7%、「5Gは知らなかった」11.6%となった。言葉のみの認知を含めると約88%が知っているという状況となった。

5Gプランの月額料金値上げ許容額は、値上げを認めるユーザー限定に限定すると1,424

 5Gスマートフォンの月額料金プランについて、現在よりもいくら高くても契約したいか質問した。回答は「月額料金が高くなるなら5Gプランは契約しない」が76.2%となった。以下、「500円高くても5Gプランを契約したい」9.2%、「1,000円高くても5Gプランを契約したい」6.6%と500円間隔で500円~5,000円以上で設定した回答結果を基に、5Gプランの月額料金アップの許容額を加重平均で算出した。結果は「月額料金が高くなるなら5Gプランは契約しない」と回答したユーザーまで含めると339円で、この層を含まない値上げ容認ユーザーに限ると1,424円となった。サービス開始時点では5Gにより月額料金が高くなることは、多くのユーザーが受け入れ難いようだ。

5Gスマホの端末価格の値上げ許容額は、値上げを認めるユーザーに限定すると8,342

 5Gスマートフォンの端末価格について、現在よりもいくら高くても購入したいか質問した。その結果、「価格が高くなるなら5Gスマートフォンは購入しない」が73.7%となった。以下、「2,400円(100円×24ヶ月)の価格差なら5G端末を購入したい」10.4%、「4,800円(200円×24ヶ月)の価格差なら5G端末を購入したい」4.2%と、2,400円(100円×24ヵ月分)間隔で2,400円~28,800円以上で設定した選択肢の回答結果を基に5Gスマートフォンの端末値上げ許容額を加重平均で算出した。結果は「価格が高くなるなら5Gスマートフォンは購入しない」と回答したユーザーを含めた場合で2,195円、含まない場合では8,342円となった。料金プラン同様に値上げに対する考えは厳しく、多くのユーザーに訴求するためには端末価格の値上げは1万円程度に抑えないと受け入れにくいようだ。

2020年度のスマートフォン出荷台数に占める5G端末は最大20%と予測

 MM総研では、5G元年となる2020年度スマートフォン市場全体に占める5G端末比率は15%から最大20%、台数にして430万から580万台規模と予測する。現在は正式サービス開始前のため、5Gによるメリットや利便性、楽しさを訴求しきれていないことが値上げ許容額を低く抑える要因になっている。サービス開始後は具体的な品ぞろえやサービスの広がりがユーザーをどの程度満足させるかが重要なポイントとなるだろう。

 

 


■ ユーザー調査概要
【調査方法】 WEBアンケート調査(1,110件) ※2020年2月実施

  


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