中古スマートフォン市場規模の推移・予測(2020年3月)

2020年03月11日

■ 主端末としての中古スマートフォン利用率は2.4%

■ 中古スマートフォンの購入金額は23,895円(加重平均)で新品の半額以下

■ 2019年度中古スマートフォン市場は過去最高の163万台で3年振りのプラス成長の見込み

■ 2025年度中古スマートフォン市場は265万台に拡大と予測

 MM総研(東京都港区、所長・関口 和一)は3月11日、中古スマートフォン市場規模の推移・予測を発表した。WEBアンケートによるユーザー調査と中古端末販売事業者への取材に基づき、端末出荷台数・契約数を独自に算出した。

主端末としての中古スマートフォン利用率は2.4%に留まる

 2020年2月に実施したユーザー調査の結果、現在利用している主端末を聞いたところ、「新品で購入したスマートフォン」が80%と突出し、次いで「新品で購入したフィーチャーフォン」が9.9%。「中古で購入したスマートフォン」が2.4%、「中古で購入したフィーチャーフォン」が0.7%の順となった。新品+中古スマートフォン利用率合計(82.4%)に占める中古スマートフォンの利用率は2.9%となった。中古端末は複数端末を使い分ける際、サブ端末としての利用率が高いことも想定されるが、主端末としての中古スマートフォン利用率は2.4%と低くなった。

中古スマートフォンの購入金額は23,895円で新品の半額以下

 中古のスマートフォン利用者に端末の購入金額を聞いた。その結果、回答数の多い順に「10,000~14,999円」15.8%、「わからない」15.4%、「5,000~9,999円」10.4%、「15,000~19,999円」9.1%、となり、それ以降は徐々に購入金額が高くなる傾向が見られた。加重平均により算出した購入金額は23,895円となった。

 また新品のスマートフォン利用者に端末の購入金額(実質的な支払総額)を聞いた結果、「わからない」34.5%、「2~9,999円」7.3%、「20,000~29,999円」6.7%、「30,000~39,999円」6.5%、となった。高額な新品のスマートフォン購入の際、月賦で端末料金を支払うことが一般的となっており、利用している月額の携帯電話サービス料金と月賦の端末料金を合算して支払うことになるため、結果として「わからない」が多くなったと予想される。また大手キャリア各社の下取りや端末返却による支払免除のサービスも、実質の端末料金をわかりにくくさせている一因だろう。加重平均により算出した購入金額は49,204円となった。
 中古スマートフォンと新品スマートフォンの平均購入金額を比較すると、中古スマートフォは新品の約48.6%と半額以下という結果となった。

中古スマートフォン購入経験者は11.8%で他製品よりも中古購入率が低い

 スマートフォン利用者の一部回答者(1,587件)に対し、各種中古製品の購入経験の有無について聞いた。その結果、スマートフォンは11.8%となった。中古製品の購入経験の多い順に「本・雑誌・マンガ」62.3%、「音楽・映像ソフト(CD/DVD・ブルーレイ等)」43.2%、「車・オートバイ」38.6%、となり、中古スマートフォンはそれらを下回った。

中古スマートフォンの購入意向者は22.6

 今後、中古スマートフォンを購入・検討してみたいか聞いた結果、「購入したい」は3.8%、「製品や価格次第で検討したい」は18.8%。両者合わせた「購入したい意向」は22.6%となった。一方で、「絶対に購入したくない」は41%、「あまり購入したくない」は36.4%、となり、非購入意向者は合わせて77.4%となった。

2019年度中古スマートフォン市場は過去最高の163万台で3年振りのプラス成長の見込み

 MM総研では2020年3月現在における中古スマートフォン市場の推移・予測を更新した。前回(2017年10月)発表と比較すると2017年度以降の見込み台数は下方修正した。今回の推計結果では、2017年度 154万台、2018年度 151万台となり、2016年度の158万台より2年連続でのマイナス減少となった。その要因は大手キャリアによる下取り販売施策の強化が影響し、中古販売事業者への流通台数が減少したため。しかし、2019年度には163万台(前年度比7.9%増)と過去最高となる見通しである。電気通信事業法改正の影響や中古利用と親和性の高いSIMフリー端末の流通量が増加したことがV字回復に寄与した。
 2020年度以降の中古スマートフォン市場は微増トレンドとなり、2025年度には265万台に拡大と予測する。

スマートフォンの新品出荷台数に対する中古比率は2019年度で5.9%

 新品スマートフォン出荷台数(2019年11月発表のMM総研調べ)を100%とした場合の、中古スマートフォン比率を見ると、2015年度から2018年度は5%前後で推移しているが、2019年度には5.9%となる見通し。2020年度以降は上昇傾向となり2025年度には9.8%まで拡大と予測する。今後は微増傾向と予測する中古スマートフォン市場ではあるが、更なる拡大に向けては①全国規模で店舗網を保有する事業者の参入 ②大手キャリアやMVNOによる本格的な取扱い――がポイントとなるだろう。

 


 【中古スマートフォンの定義】

下記条件を満たすスマートフォン販売台数

①一度他人が購入した端末であり、店舗やインターネットを介した売買により取引きされる端末
②有償・無償を問わず家族・友人・知人間での取引は含まない
③キャリアモデル、SIMフリーを含む
④国内で売買される端末のみを含む(海外からの輸入端末等は含まない)


■ ユーザー調査概要

【調査方法】 WEBアンケート調査(プレ調査:24,604件/本調査:1,587件)
【調査時期】 2020年2月

 

 


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■MM総研について
株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀にわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。

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