2015年度上期国内携帯電話出荷概況

2015年10月29日

■ 2015年度上期出荷台数は1,638万台(前年同期比3.8%増)
■ スマートフォン出荷台数は1,262万台(20.2%増)、スマートフォン出荷比率は77.0%
■ Appleが631万台で半期別シェア8期連続1位もOS別シェアでAndroidと並ぶ
■ 2015年度通期は総出荷台数3,650万台、うちスマートフォン2,760万台と予測
■ 出荷台数は微減傾向となるが、2018年度にはスマートフォン契約数1億件を突破

 MM総研(東京都・港区、所長・中島 洋)は2015年度上期(2015年4月~2015年9月)の国内携帯電話端末出荷台数(※1)調査結果を発表した。2000年度の統計調査開始以来、半期別出荷台数として過去最低となった昨年同期(1,578万台)から3.8%増の1,638万台となった。
 スマートフォン出荷台数は同20.2%増の1,262万台となった。総出荷台数に占めるスマートフォン出荷台数比率は77.0%(同10.5ポイント増)となった。

※1:端末出荷台数とはフィーチャーフォンおよびスマートフォンの合計であり、SIMフリー端末は携帯電話事業者(以下、キャリア)を通じて販売される一部端末のみを含む。Android搭載の二つ折り端末(通称:ガラホ)はフィーチャーフォンに含む。

 出荷台数が僅かながら回復した要因としては①2014年度上期は在庫調整の影響で減少したNTTドコモのスマートフォン出荷台数の回復、②中価格帯のAndroidスマートフォン市場の拡大があげられる。

メーカー別出荷台数1位はApple

 2015年度上期の携帯電話端末のメーカー別出荷台数シェアは、Appleが2011年度下期以降、8半期連続1位となった。出荷台数は631万台(前年同期比5.0%増)でシェア38.5%(前年同期比0.4ポイント増)となった。
2位はシャープ、3位はソニーモバイルコミュニケーションズ(以下ソニーモバイル)、4位は富士通、5位は京セラでの順となった。



 スマートフォン市場のメーカー別出荷台数では、1位:Apple 631万台(スマートフォン出荷台数シェア 50.0%)となった。以下、2位ソニーモバイル、3位シャープ、4位富士通、5位Samsungの順となった。

 スマートフォンのOS別出荷台数でみると、Apple=iOS、Apple以外は全て=Androidとなり、iOS出荷台数とAndroid出荷台数は共に631万台(OS別シェア50.0%)で同数となった。今上期ではソニーモバイル・シャープ・富士通が発売した中価格帯のAndroidスマートフォンがキャリアの戦略と相まって好調に推移したと分析する。

 

2015年度通期は総出荷台数3,650万台、うちスマートフォン2,760万台と予測

 MM総研では、2015年度通期の総出荷台数を3,650万台(3.6%減)と予測。うち、スマートフォン2,760万台(0.4%増)、フィーチャーフォン890万台(14.4%減)となり、総出荷台数に占めるスマートフォン出荷台数比率は75.6%(3.1ポイント増)となる見通し。2016年度以降の総出荷台数はスマートフォン、フィーチャーフォンともに微減傾向と予測する。

スマートフォン契約数は2018年度に1億件を突破

 MM総研では2015年3月末のスマートフォンとフィーチャーフォンを合わせた携帯電話端末契約数は1億2,651万件(うちスマートフォン契約数6,850万件)となり、人口普及率(※2)は99.7%と分析。9月末には1億2,700万件を突破して人口普及率(※2)が100%に到達したと推察する。
 2018年度には1億件を突破、スマートフォン契約数比率が7割を占める見通しである。
※2:総務省統計局による総人口(2015年4月1日確定値:1億2,694万人)で算出

SIMフリー端末が大手キャリアの減少分をカバー

 現在は出荷台数への影響がごく僅かとなっているSIMロック解除や、大手4キャリア以外のSIMフリー端末市場の動向が注目されている。2015年5月以降に発売された端末はSIMロック解除して、MVNOを含めた別のSIMカードを挿入して利用することが可能となる(手数料が発生する場合や対応周波数・サービスによる不都合が生じる可能性に注意が必要)。2015年度に購入した端末は2年間の割賦支払など、契約期間が終了する2017年度に機種変更やキャリア変更のタイミングを向かえる。現在ではキャリア変更の際には端末購入がセットとなっており、端末を大幅な割引価格で提供していることがユーザー間に不平等をもたらしているという議論がなされている。今後はSIMロック解除による端末販売を伴わない、SIMカード単体の乗り換えや割引サービスが登場することも予測される。

 SIMフリー端末市場は大手キャリアへの販売状況や国内・海外メーカーに関係なく、数多くのメーカー参入が相次いでいる。MVNOによる、いわゆる格安SIMカードとのセット販売や量販店での販売コーナー設置などで存在感が着実に上昇している。本リリースでは実績および予測ともに、SIMフリー端末出荷台数は含まない。ただし、MVNO市場の拡大と相まって、大手キャリアの端末減少分をSIMフリー端末が補う形で拡大していくことが期待されている。
(調査レポートの全文は11月末発行のM&Dレポート12月号に掲載します)


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