国内MVNO市場規模の推移(2015年9月末)――2015年度末に4,000万回線突破が確実

 

2015年12月08日

■ 2015年9月末時点のMVNO回線契約数は前年比88.9%増の3,642万回線
■ 回線種別ではBWA(WiMAX / AXGP)が最多で、 前年比153.4%増の2,567万回線
■ 独自サービス型SIM の回線契約数は前年⽐76.1%増の405.8 万回線
■ 独自サービス型SIM の事業者別シェアは、NTTコミュニケーションズが23.2%で1位

MM総研(東京都・港区、所長・中島 洋)は12月8日、国内MVNO市場の2015年9月末実績を発表した。MVNOサービスの総契約回線数は2015年9月末時点で3,642万回線となり、2014年9月末(1,928万回線)に比べ88.9%増加した。MVNO市場は2013年3月末に初めて1,000万回線を突破したが、2016年3月には4,000万回線突破が確実。今後も引き続きMVNOサービスの総契約回線数は順調に伸長していくことが予想される。

※2015年9月末の契約数は同4月1日付のソフトバンクグループにおける合併を反映した数値である。また、独自サービス型SIMのうちプリペイド契約の数値を除外している。

◆ 回線種別ではBWAが最多で、前年比153.4%増の2,567万回線

 15年9月末時点の契約回線数を回線種別に分類すると、携帯電話(3G/LTE)が1,065万回線(シェア29.2%)、BWA(WiMAXおよびAXGP)が2,567万回線(同70.5%)、PHSが10万回線(同0.3%)で、2015年3月末時点に引き続きBWAカテゴリが最多となった。
BWAカテゴリでは、WiMAX2+およびAXGPにおいて、MNOでもあるMVNO向けの回線数が大きく伸長した。WiMAX2+回線では、KDDI(au)のWiMAX2+対応スマートフォンの契約回線数が増加しており、AXGP回線ではソフトバンクモバイル向けに提供するWireless City Planningの契約回線数が引き続き増加した。
携帯電話カテゴリにおいては、「格安SIM」と呼ばれる、独自サービス型SIMの契約回線数が引き続き大きく伸長。NTTコミュニケーションズやインターネットイニシアティブ、ビッグローブが市場を牽引した他、新勢力となるU-NEXTや楽天モバイル、ドコモ回線とau回線のマルチキャリア体制でサービスを提供するケイ・オプティコムがシェアを伸ばした。

 

◆ 独自サービス型SIMの契約数は405.8万回線

 独立系MVNO事業者がSIMカードを活用し、独自の料金プランで提供する独自サービス型SIMの回線契約数は、2015年9月末で405.8万回線となった。2014年9月末時点では230.5万回線だったので、1年間で回線数は76.1%増加した。ただ、MNOでもあるMVNOを含むMVNO市場全体から見た構成比は11.1%と依然として少ない。2015年の独自サービス型SIM市場は、「SIMフリー端末の増加」「販売チャネルの拡大」という2つの追い風が普及拡大に大きく貢献。これまで国内で流通するSIMフリー端末は、海外メーカーのローエンドモデルが主流であったが、富士通やシャープ、京セラといった大手国内メーカーからミドルレンジの端末が相次いで発売された。海外メーカーでもASUSやファーウェイを中心にミドルレンジの端末がヒットした。また、販売チャネルにおいては、大手家電量販店の取扱規模が拡大。特に、ヨドバシカメラやビックカメラでは、店頭に専用カウンターを設置し、これまで格安SIMの課題とされていた即日MNPに対応したうえ、ラインアップの充実したSIMフリー端末とセット提案することで、需要喚起に成功した。
また、訪日外国人の増加に伴い、利用期間・利用可能容量が限定されたプリペイドSIMの販売数が増加。2015年4-9月期では約40万枚が販売されたと見られる。2020年のオリンピックへ向けて、さらなる需要の拡大が期待される。

◆ 2017年3月末時点の独自サービス型SIMは770万回線規模に

 2015年度は下期も個人向け需要を中心として独自サービス型SIMの市場は拡大し、2016年3月末には510万回線に達すると予測する。2016年度下期からは、IoT(Internet of Things)分野における法人向け需要が活発化することが予想される。個人/法人ともに引き続き需要は旺盛で、独自サービス型SIMの市場は2017年3月末までに770万回線に成長すると予測する。


※調査レポートの全文はM&Dレポート16年2月号(1月末発行)に掲載します

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