スマートフォンの通信速度測定調査(11年11月)
2011年11月29日
■注目のiPhone4S対決は下り・上り共にソフトバンクが勝利
■3Gサービス通信速度はイー・モバイルが最速、次いでソフトバンクが健闘
■次世代高速通信対決ではドコモ LTEがau WiMAXを上回った
MM総研(東京都・港区、所長・中島 洋)は各キャリアから現在発売されているスマートフォンおよびタブレットを利用して通信速度を測定し、結果を発表した。測定場所は北海道から九州までの計11拠点(東京5拠点、神奈川2拠点、大阪1拠点、名古屋1拠点、福岡1拠点、北海道1拠点)で、調査期間は2011年11月18日~24日となる。
利用端末はNTTドコモ(以下ドコモ)、au、ソフトバンクモバイル(以下ソフトバンク)、イー・モバイルの3Gサービス最速の通信規格に対応したスマートフォン、auからも発売されたことで注目を集めるiPhone4S、iPhone4Sとの比較対象としてのiPhone4、次世代高速通信規格のドコモ LTEタブレット、とau WiMAXスマートフォンの計8端末とした。
通信速度は「Broadband Networking Report Speed Test画像読込み版」サイトを利用して、下り(ダウンロード)、上り(アップロード)の通信速度をそれぞれ測定した。1箇所につき12時~17時の昼間と、17時~22時の夜間の2回測定した。
<3Gは昼夜の下りと夜間の上りでイー・モバイルが最速、下り2位:ソフトバンク、3位:ドコモ、4位:au>
昼間における3Gサービス測定結果(全11拠点の平均速度)は下り:1.71Mbpでイー・モバイル、上り:0.98Mbpsでauが最速となった。
11拠点別でみると下りはソフトバンクとイー・モバイルが各5拠点、au 1拠点で最速となった。上りはau 5拠点、イー・モバイル 4拠点、ソフトバンク 2拠点で最速となった。
夜間における3Gサービス測定結果は下り:1.71Mbps、上り:0.99Mbpsで共にイー・モバイルが最速となった。11拠点別でみると下りはイー・モバイル 8拠点、ソフトバンク 2拠点、au 1拠点、で最速となった。上りはイー・モバイル 6拠点、au 3拠点、ソフトバンク 2拠点で最速となった。
下りの平均速度ではソフトバンクが昼間:1.37Mbps、夜間:1.32Mbpsと健闘した(データ1)。一方で、ドコモは全11拠点・昼夜ともに、1位の結果を残せなかった。
<iPhone4S対決では、下りソフトバンクがダブルスコアで勝利、上りはほぼ互角ながらもソフトバンク有利>
iPhone4Sの昼間における全11拠点の平均速度はソフトバンク(下り:1.37Mbps/上り:0.77Mbps)、au(下り:0.71Mbps/上り:0.70Mbps)となった。夜間の平均速度はソフトバンク(下り:1.32Mbps/上り:0.72Mbps)、au(下り0.73Mbps/上り:0.65Mbps)となり、昼夜および下り・上りを問わずソフトバンクの通信速度がauを上回る結果となった。特に下りでは、全国拠点を問わずソフトバンクの方が速く、全国平均ではソフトバンクがauの約2倍の速さとなった。エリア別にみると神奈川2拠点、名古屋の計3拠点では3倍以上となった。夜間はネットワークが混雑する傾向があるためか、速度の差は全体的に小さくなったものの、比較的データ通信量が少ないとされる昼間の時間帯ではソフトバンクの速さが顕著に表れた。これは、通信規格の下り速度の理論値として、ソフトバンクが14.4Mbpsであるのに対して、auが3.1Mbpsであることが影響したと考えられる。
なお、ソフトバンクのiPhone4とiPhone4S比較では、iPhone4が下り7.2Mbpsに対してiPhone4Sでは下り14.4Mbpsに対応したこともあり、iPhone4Sの通信速度がiPhone4を上回る結果となった(データ2)。
<次世代高速通信対決(LTE vs WiMAX)ではLTEが勝利>
次世代高速通信規格であるドコモ LTE(タブレット利用)とau WiMAXの通信速度の結果は、昼間の全11拠点平均はLTE(下り:5.49Mbps/上り:3.30Mbps)、WiMAX(下り:2.15Mbps/上り:1.94Mbps)となった。
夜間はLTE(下り:4.56Mbps/上り:2.95Mbps)、WiMAX(下り:1.96Mbps/1.46Mbps)となり、昼夜および下り・上りを問わずドコモ LTEがau WiMAXを上回る結果となった。エリア別にみても、昼間の上り2拠点および夜間の下り・上りの各2拠点でWiMAXが勝利した以外、全てLTEが勝利する結果となった(データ3)。
LTEとWiMAX共に大部分の測定は駅付近で測定したにも関わらず、エリア外となり3G速度としての測定になるケースもあった。また、昼間と夜間で次世代高速通信規格のエリア内外が逆転するケースもあり、まだまだ不安定な電波状況であった。しかしながら、LTE・WiMAX共に下りで約10Mbpsが測定された拠点もあり、次世代高速通信規格のポテンシャルが実証できた。
スマートフォンやタブレットの普及により、データトラフィックの急増に伴うネットワーク環境の重要性がますます高まってきている。今後も更なる通信速度の高速化と快適なネットワーク構築に期待したい。
◆調査概要
【調査拠点】
首都圏(東京5拠点、神奈川2拠点)、大阪、名古屋、福岡、札幌 計11拠点
※東京:秋葉原、新橋、渋谷、新宿、池袋 / 神奈川:横浜、川崎
※駅付近の主要スポットもしくはその周辺で計測(全て屋外)
※各拠点3~4箇所で測定
【調査方法】「Broadband Networking Report Speed Test画像読込み版」による測定
※測定結果は「最高速度」ではなく「平均速度」を採用
※測定地ごとに3回測定。各拠点全データの平均を拠点別の速度とした
※昼間(12時~17時)と夜間(17時~22時)で測定地ごとに2回測定
※上り速度のテストデータは600KB
【調査端末】 全8端末(下記データ4参照)
【調査期間】 2011年11月18日~11月24日
注意:通信速度は各種条件(場所、時間、天気、端末、周囲の状況など)により変動する可能性があります
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