FTTH市場の競争が一層激しく
―ブロードバンド回線事業者の加入件数調査 (10年9月末時点)―
2010年11月30日
■ 主戦場のFTTH市場ではKDDIが大きくシェアを伸ばす
■ FTTH間での乗り換えが増加傾向に
■ 利用者サポートの拡充が今後の主要課題に
FTTH加入件数 1921万件 (10年9月末時点) 136万件の増加 (10年3月末比)
ADSL加入件数 895.5万件 (10年9月末時点) 74.5万件の減少 (10年3月末比)
MM総研(東京都港区、所長・中島 洋)は11月30日、10年9月末時点でのブロードバンド回線事業者の加入件数を調査し、結果をまとめた。
FTTH(光接続サービス)の加入件数は1921万件となり、同年3月末より136万件の増加となった。FTTH市場ではADSLからの移行が一巡し、FTTH間での利用者の乗り換えによる競争が激化していることから、各事業者は解約抑制に向けた取り組みの強化に動いている。
一方、ADSLは895万5,000件で同年3月末より74万5,000件減少し、ブロードバンド接続サービス(FTTH、ADSL、CATV接続)に占めるADSLの割合が初めて3割を切った。
■ FTTH市場、KDDIが好調な伸び
10年9月末のNTT東西合計の加入件数は1,424万件となり、シェアは合わせて74.1%となった。10年度上期のNTT東西の純増数は98万9,000件となったが、前年同期の純増数114万4,000件と比較すると、純増ペースはやや鈍化している模様だ。
一方、KDDIやケイ・オプティコムが順調に加入件数を増やし、シェアを伸ばしている。
KDDIグループは、10年9月末174万1,000件(シェア9.1%)で、同年3月末から22万8,000件の増加と順調に加入件数を伸ばした。
関西地域を中心に展開しているケイ・オプティコムは、10年9月末で109万件となった。順調に契約数を伸ばした。UCOMは、10年9月末で52万9,000件と同年3月末からやや純減した。
■ ADSL市場、ソフトバンクBBとイー・アクセスが奮闘
ADSL回線事業者で首位は、ソフトバンクBBのYahoo! BB ADSL。上位2社がADSL市場をリードする形が続く。
~ISP事業者のシェア~
■ So-netのFTTHシェアが単独4位に
ISP事業者のFTTHシェアでは、OCNが同年3月末から28万6,000件の純増。引き続き首位を維持したものの、10年3月末からシェアを下げた。2位のBIGLOBE は、10年9月末で契約数200万件が目前となり、So-netは10年9月末で@niftyを引き離し単独4位となった。
~今後の動向~
■ ブロードバンド契約者数のうち、ADSLが3割を下回る
10年9月末時点のブロードバンド契約者数は3,264万件となり、回線種別ではADSLが895.5万件、FTTHが1,921万件、CATVが447万件となった。ブロードバンド契約者数を回線種別比率でみると、ADSLが27.4%、FTTHが58.9%、CATVが13.7%となり、FTTHが固定系ブロードバンド回線で磐石な地位を確立している。
FTTH市場は11年3月末に2,043万件程度の普及が見込まれ、13年3月末には2,540万件まで拡大し、ブロードバンドに占める割合は70%を超えると予想される。
ADSLからFTTHへの移行も次第に緩やかになると見られるが、13年3月末にブロードバンドサービス全体で3,600万件と契約数は伸びるものと予想される。
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