SIMフリースマートフォンの購入実態・満足度調査(2015年12月)

 

2016年04月26日

■SIMフリースマートフォンに挿入するSIMカードはMVNO 54.0%、大手キャリア SIM 38.9%
■SIMフリースマートフォンの平均購入価格は32,418円
■SIMフリースマートフォンの総合満足度は61.1%。他人への推奨度は52.3%
■SIMフリースマートフォン出荷台数比率5%から今後は更なる拡大が予測される

 MM総研(東京都・港区、所長・中島 洋)は4月26日、SIMロックフリースマートフォン(以下SIMフリースマートフォン)利用者の購入実態および満足度についての調査結果を発表した。2015年12月に実施したユーザー調査にもとづく分析で、このテーマでは初の本格的な調査となる。

挿入するSIMカードはMVNO SIMが54.0%、大手キャリア SIMが38.9%

 SIMフリースマートフォンに挿入しているSIMカードの種類について質問した。その結果、「MVNO SIMカードが」54.0%、「大手キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイルの4キャリア)のSIMカード」38.9%、「海外のSIMカード」1.9%となった。SIMフリースマートフォンが必ずしもMVNO SIMカードとセットで利用されている状況ではなく、大手キャリアのSIMカードを利用しているユーザーも4割程度存在することが示された。

購入時の参考情報はオンライン情報が中心

 SIMフリースマートフォンを購入した際に参考にした情報について複数回答形式で質問した。その結果、「インターネット(各種情報・掲示板・SNSなど)」35.6%、「MVNOサービス提供会社のHP」18.7%、「店員の話」9.7%、「家族・知人からの情報」9.0%の順となった。SIMフリースマートフォン利用者にとって、オンライン情報が購入端末を選定する際のポイントとなっているようだ。

SIMフリースマートフォンの平均購入価格は32,418円

 SIMフリースマートフォンの購入価格(※1)について分析した結果、平均購入価格は32,418円となった。「購入価格がわからない」と回答したユーザーを除いて補正した価格帯別の構成比でみると、「(25,000円以上)30,000円未満」が12.4%で最も多く、次いで「(30,000円以上)35,000円未満」11.2%となった。3万円前後が一番のボリュームゾーンとなっているようだ。「20,000円未満」の累積パーセントが35.1%と全体の3分の1を占め、「30,000円未満」の累積パーセントは56.8%となった。「50,000円未満」では81.9%となっており、大手キャリアの端末一括購入価格と比較すると低い価格で購入されている傾向が明らかとなった。

※1:MVNO SIMカードとのセット購入(基本料金やデータ通信との一体型プラン)の場合は端末価格分のみを回答

購入時に重視した項目は「端末価格」が最高の70.1%

 SIMフリースマートフォンを購入した際にどのような項目を重視したか、全22項目について5段階評価で質問した。その結果、「大変重視した」「やや重視した」の合計パーセントの重視度が最も高かったのは「端末価格」で70.1%となった。次いで「画面サイズ」、「LTE対応・通信速度」、「端末の操作性・使いやすさ」、「データ容量(ROM)」の順となった。

SIMフリースマートフォンの総合満足度は61.1%。他人への推奨度は52.3%

 重視度同様に、購入後の利用満足度について22項目+総合満足度を5段階評価で質問した。その結果、総合満足度は61.1%となった。22項目で最も高かったのは「画面サイズ」で56.8%となった。次いで「端末の操作性・使いやすさ」、「LTE対応・通信速度」、「ディスプレイ解像度」、「端末価格」の順となった。

 現在利用しているSIMフリースマートフォンの他人への推奨度について質問した結果では、「勧めたい」52.3%が「勧めたくない」13.3%の約4倍と高くなった。

SIMフリー比率は2015年度上期で5%。今後は更なる拡大が予測される

 SIMフリースマートフォンはMVNO SIMカードとのセット利用により、通話・データ通信の利用状況次第で大手キャリアよりも月額利用料を抑えることができる点がメリットである。また、大手キャリアのSIMカードをそのまま利用したり、海外で現地調達したSIMカードを挿入したりすることも可能で幅広いシーンで活用できる。
 一方、紛失時や故障時などのサポートはSIMフリースマートフォンをセット販売しているMVNOや端末メーカー独自のサービスに加入・利用する必要性があり、大手キャリアと比較すると必ずしも同等のサービスを受けられるとは限らない。
 SIMフリースマートフォンの出荷台数は2015年度上期で66.8万台とスマートフォン出荷台数の5%に留まっている。SIMフリースマートフォンは利用者自身のライフスタイルと利用状況に応じた購入・検討が重要であるが、今後は幅広いユーザーに支持されるポテンシャルを秘めている市場といえるだろう。


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