iPhone5発売後のスマートフォン購入実態調査

2012年10月04日

■ 9月14日以降のスマートフォン購入シェアは50%がiPhone5
■ iPhone5のキャリア比率はソフトバンク63.9%対au36.1%
■ iPhone5の満足度は約85%でAndroidスマートフォンよりも高い

 MM総研(東京都・港区、所長・中島 洋)は2012年9月21日に発売されたiPhone5の購入状況を含めた、スマートフォン購入実態について調査を実施。結果を発表した。調査手法はWEBアンケート調査で、iPhone5の予約開始日(9月14日)以降にスマートフォンを購入・予約した1500人(以下「①購入・予約者」)、今後3ヶ月以内にスマートフォンを購入する意向を示した1023人(以下「②購入意向者」)を対象とした。調査期間は9月27日(木)~10月1日(月)となる。なお、MM総研では日本でiPhone5を取り扱うauとソフトバンクが、端末価格・LTEプラン・キャンペーンの一次情報を発表した後となる9月14日(金)~9月18日(火)の期間で「iPhone5購入意向に関する実態調査」を行い、その結果も9月20日に発表している。本リリースではiPhone5を取り巻く販売競争の変化にもスポットを当てた分析を行った。

◆9月14日以降のスマートフォン購入シェアは50%がiPhone5

 「①購入・予約者」1500人に購入・予約したスマートフォン機種を質問した結果、「1位:ソフトバンクiPhone5」477人(31.8%)、「2位:au iPhone5」269人(17.9%)、「3位:ソフトバンク iPhone4S」62人(4.1%)、「4位:au iPhone4S」56人(3.7%)、「5位:Xperia GX SO-04D」46人(3.1%)、「6位:ARROWS X F-10D」45人(3.0%)、「7位:Galaxy SⅢ SC-06D」43人(2.9%)の順となった。iPhone5購入者は合計746人(49.7%)となり、iPhone5の高い人気が判明した。3位、4位にはそれぞれソフトバンクとauのiPhone4Sがランクインしており、iPhone5発表後も高い人気が続いているようだ。購入時期別でみると、iPhone5発売日となる9月21日(金)からの1週間では「ソフトバンク iPhone5」38.2%、「au iPhone5」21.3%を合わせて6割となった。


◆iPhone5のキャリア比率はソフトバンク63.9%対au36.1%

 iPhone5購入・予約者でのキャリア比率はソフトバンク 63.9%対au 36.1%となった。先日発表した「iPhone5購入意向に関する実態調査」にて、iPhone5購入意向者の購入キャリア意向はソフトバンク 53.3%対au 46.7%となっていた。実際の購入・予約は、よりソフトバンクがauに差を付けていることが窺える結果となった。
 iPhone5購入時期別に見ると、「9月14日(金)~9/20(木)」ではソフトバンク 62.4%対au 37.6%、「9月21日(金)~9月27日(木)」ではソフトバンク 64.3%対au 35.7%、「9月28日(金)~10月1日(月)」ではソフトバンク 65.7%対au34.3%と、徐々にソフトバンク比率が高まっている。この要因としては、9月19日(水)にauを意識して追加で発表したと考えられるテザリングなどのオプションプラン追加、「スマホ下取りプログラム」の対象機種拡充と割引額の増加が奏功したと分析する。


◆au iPhone5購入者はドコモ・ソフトバンクからの乗り換え比率が高い

 「①購入・予約者」1500人に購入形式を質問した結果は、全体では「(同じ携帯電話会社での)機種変更」が82.7%と高くなった。その中で、「au iPhone5」では「ドコモから乗り換え」16.7%、「ソフトバンクから乗り換え」17.1%となっており、他社からの獲得が多いことが判明した。一方「ソフトバンク iPhone5」は「機種変更」が91.2%となった。ソフトバンクは既存のiPhone利用者が多く、同社のiPhone5への買い替えが進んでいることが購入シェアの高さにも繋がったようだ。


 ソフトバンクの追加発表などで注目を集めている「テザリングオプション」の契約状況について質問した結果、iPhone5購入・予約者746人のうち、398人が(53.4%)が「テザリングオプション契約(予定含む)」となった。また、ソフトバンクiPhone5購入・予約者477人のみを対象に、「スマホ下取りプログラム」ついて質問した結果、「スマホ下取りプログラムを利用(予定含む)」158人(33.1%)となった。

◆iPhone5利用者の満足度は約85%でAndroidスマートフォンよりも高い

 「①購入・予約者」1500人に、購入したスマートフォンの満足度(予約者に対しては期待度)を5段階で質問した。「大変満足(非常に期待)」「満足(期待)」合計%の結果は、「au iPhone5」88.5%、「ソフトバンク iPhone5」84.1%と僅差で1位、2位となり、Androidスマートフォンと差をつけた。以下「Xperia GX SO-04D」65.2%、「ソフトバンク iPhone4S」62.9%、「au iPhone4S」57.1%、「Galaxy SⅢ SC-06D」55.8%、「ARROWS X F-10D」53.3%の順となった。

◆3ヶ月以内のiPhone購入意向者の約6割がソフトバンクiPhone5を支持

 「②購入意向者」1023人に今後購入したいスマートフォンのOSについて質問した結果、「購入したい」「検討したい」を合わせた購入意向は、「iOS(iPhone)」872人(85.2%)、「Android」637人(62.3%)、「Windows」480人(46.9%)、「BlackBerry」258人(25.2%)の順となった。
 「iOS(iPhone)」の購入意向を示した873人にauとソフトバンクのiPhone5について、9月27日時点で最新の各種料金やキャンペーン情報を提示して、どちらを購入してみたいと思うかについて質問した。その結果、「ソフトバンクのiPhone5を購入したい」58.9%、「auのiPhone5を購入したい」355人(41.1%)となり、実際の購入・予約者同様にソフトバンク優勢となった。


 ソフトバンクのiPhone5を選ぶ理由としては、「現在利用している携帯電話会社だから」46.3%、「iPhoneのイメージが強いから」36.8%、「家族と同じ携帯電話会社だから」23.6%、「下取りプログラムによる買いやすさ」22.0%、「キャンペーンによる買いやすさ」18.7%の順となった。
 一方、auのiPhone5を選ぶ理由としては、「電波の繋がりやすさ」56.5%、「現在利用している携帯電話会社だから」32.4%、「電波の通信速度」26.8%、「家族と同じ携帯電話会社だから」24.8%、「テザリングの開始時期」24.5%の順となった。上記は、両キャリア共に先日の「iPhone5の購入意向に関する実態調査」と同様の理由となった。ソフトバンクを支持する理由としては、iPhoneといえばソフトバンクといったイメージに加えて、下取りプログラムや新規獲得や既存顧客向けの各種キャンペーンが効果的に作用しているようだ。auを支持する理由としては、テザリングの開始時期を含めた電波の強みとなっており、ソフトバンクが追加で発表したテザリング対応に関しても、開始時期がアドバンテージとなっていることがわかる。
 「②購入意向者」1023人に例年10月には携帯電話会社が冬モデル・春モデルの新製品を発表する時期であることを説明し、今後発表されることが想定される新製品の購入意向についても質問した。その結果、「今後発表される製品の中から購入したい」289人(28.3%)、「今後発表される製品も購入候補に含めたい」416人(40.7%)と7割が今後発表される製品に対する関心を示した。今後はiPhone5と冬春モデルを含めたスマートフォンの販売動向が注目される。
 
 10月1日(月)にはソフトバンクによるイーアクセスの完全子会社化が発表された。同社が提供中の1.7GHz帯LTEサービスはソフトバンクモバイルのiPhone5で利用可能となる見込みで、より利用エリアが充実することが予測される。この度のiPhone5販売競争において、LTEやテザリングといったネットワークに関するキーワードの注目度が高まったことは明らかである。ドコモではいち早く「Xi(クロッシィ)」としてLTEサービスを提供しており、LTEエリアの広さでは一日の長があるといえる。今後のスマートフォン販売競争では製品の魅力は勿論だが、LTE対応エリアの広さや通信速度といったネットワークの重要度が高まることが予測され、各キャリアの迅速な対応に期待したい。

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■調査概要
【調査方法】 WEBアンケート調査
【調査対象】 計2523人
「①購入・予約者」1500人・・・2012年9月14日以降にスマートフォンを購入・予約
「②購入意向者」1023人・・・今後3ヶ月以内にスマートフォン購入意向あり
    ※ドコモ・au・ソフトバンクいずれかの携帯電話を利用
    ※15~79歳男性・女性
【調査期間】 2012年9月27日(木)~10月1日(月)
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