個人消費動向に関する市場規模調査

2014年01月29日

■2013年度のEC市場は15.9兆円で、消費市場全体の5.6%を占める
■スマートフォン利用によるEC市場は2.6兆円で、EC全体の16.3%
■消費増税の影響で14、15各年度の国内消費は微減するもEC市場は二ケタ成長に

 MM総研(東京都港区 代表取締役所長:中島洋)は1月29日、個人消費動向に関する市場規模調査の結果を発表した。市場規模の算出は、MM総研による全国アンケート調査、内閣府の民間最終消費支出、総務省の人口統計データを活用した。昨今、O2O(=Online to Offline)やオムニチャネル、店舗のショールーム化など、ECを通した新しい消費行動が起こっている。また今年4月実施の消費増税は消費行動に大きな影響を与えることが予想される。本調査では内閣府の「民間最終消費支出」を参考に、消費全体の市場を12分野(※)に区分し、各分野の市場予測を実施した。

※「1.食料・非アルコール飲料」・「2.外食・宿泊」・「3.アルコール飲料・たばこ」・「4.被服・履物」・「5.住居・電気・ガス・水道・エネルギー」・「6.家具・家庭用機器・家事サービス」・「7.交通・車・バイク・自転車」・「8.電話・通信・郵便」・「9.娯楽・レジャー・書籍・新聞・趣味・文化・デジタル家電」・「10.教育・学習」・「11.保健・医療・介護・薬」・「12.美容・理容・装飾品・各種保険・金融サービス」
 
■EC市場は15.9兆円で、消費市場全体の5.6%を占める

 国内消費市場全体に占めるEC市場(※個人ユーザーが関与するBtoCおよびCtoC)を算出した結果、EC市場規模は15.9兆円となった。これは2013年度の国内最終消費の市場規模283.7兆円全体の5.6%を占める。

 EC市場における12分野の市場規模は、次のようになった。
「食料・非アルコール飲料」1.7兆円(EC市場に占める構成比:10.7%)、「外食・宿泊」1.8兆円(11.3%)、「アルコール飲料・たばこ」0.6兆円(3.8%)、「被服・履物」1.4兆円(8.8%)、「住居・電気・ガス・水道・エネルギー」2.4兆円(15.1%)、「家具・家庭用機器・家事サービス」1.0兆円(6.3%)、「交通・車・バイク・自転車」0.8兆円(5.0%)、「電話・通信・郵便」1.2兆円(7.5%)、「娯楽・レジャー・書籍・新聞・趣味・文化・デジタル家電」2.4兆円(15.1%)、「教育・学習」0.8兆円(5.0%)、「保健・医療・介護・薬」0.9兆円(5.7%)、「美容・理容・装飾品・各種保険・金融サービス」0.9兆円(5.7%)

■EC市場のスマートフォン利用は2.6兆円で、EC全体の16.3%

 EC市場の市場規模を利用端末別で算出したところ、「パソコン」が最も大きく11.8兆円(ECに占める比率74.2%)、「スマートフォン」は2.6兆円(16.4%)、「フィーチャーフォン」は0.8兆円(5.0%)、「タブレット端末」は0.7兆円(4.4%)と算出された。
ECでは自宅内でパソコンが中心的に使われているが、スマートフォンの利用も伸びており、外出の際にも商品やサービスの詳細を検索し、購入する行動が見受けられるようになった。今後のEC市場はスマートフォンの活用がどの程度伸長するのかによって、市場の動向が左右されるだろう。

■消費増税に備え、駆け込み購入の意欲が高いのは「パソコン」や「衣類」

 消費税率の引き上げに備えて、「今後購入検討したい商品・サービス」について質問した。最も支持されたのは「パソコン」12.0%だった。その後には、「衣類」10.0%、「スマートフォン」8.1%、「食料品」8.1%、「靴」7.6%、「国内旅行(パック含む)」 7.3%、「テレビ」7.0%、「自動車・軽自動車」6.7%などが続いた。

 上位となった分野は、「パソコン」・「スマートフォン」などの「デジタル家電」分野や、「衣類」・「靴」などの「被服・履物」分野であった。また「自動車・軽自動車」や「冷蔵庫」・「洗濯機」などやや高額な商品の購入・検討項目が高くなった。さらに2015年10月実施の「消費税10%」案が決定した場合、これらの商品の駆け込み需要がしばらく続くと思われるが、その後は反動で需要減少が避けられない。

■国内消費市場は微減傾向のなかでEC市場は二ケタ拡大

 アンケートでは「今後、消費税率が8%、10%に引き上げられることによって、12分野への支出が増加するか減少するか」を尋ねた。選択肢は「消費税率引き上げの影響で支出が増える」・「消費税率引き上げに関係なく支出を増やす」・「消費税率引き上げを意識して節約する」・「消費税率引き上げに関係なく出来るだけ節約する」・「特に意識しない」の5つによって回答を求めた。

 これらの回答を分析した結果、全体として消費税率引き上げ分を意識した「節約志向」がみられ、消費税率アップの際には支出が減少することが分かった。この結果を基に、2014年度、2015年度の国内消費市場規模を試算した。2014年度は前年度比1.0%減の280.8兆円、2015年度は同0.4%減の279.7兆円と全体として微減傾向となった。

 アンケートでは消費税率の引き上げによって、「実際の店舗での購入が増える」のか「インターネット購入が増えるのか」を尋ねた。分析の結果、全体として実店舗よりもインターネットによる購入が増加する傾向がみられた。これをもとに消費税率引き上げ後のECの市場規模を算出した結果、2014年度は前年度比10.7%増の17.6兆円、2015年度は同14.2%増の20.1兆円に拡大する傾向となった。



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■ アンケート調査概要
【調査方法】 WEBアンケート調査
【調査対象】 2,040名   ※76,997件のプレ調査(端末所有状況等)より無作為抽出
【対象条件】15~69歳の男性・女性で個人名義のパソコン・携帯電話・スマートフォン・タブレット端末のいずれかを1つ以上所持している人
【調査時期】 2013年12月
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■注意事項
1. 本プレスリリースは、MM総研が実施した市場調査の結果と分析から一部または全部を抜粋したものです。
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■MM総研について
株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀にわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。

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