IOWNネットワークで量子鍵配送を多重伝送
――東芝など3社が世界初の実証に成功
2025年07月29日
東芝とNEC、情報通信研究機構(NICT)は7月28日、NTTが推進する次世代情報通信基盤「IOWN」のオール光ネットワークを使った、量子暗号通信の実証実験に世界で初めて成功したと発表した。
IOWN構想で中核を担う「オール光ネットワークOpen APN(All-Photonics Network)」の構成機器となる光伝送装置を使い、NICT内に大容量光伝送システムを構築した。通常の高速データ通信に加えて、東芝とNECがそれぞれ開発した異なる方式の「量子鍵配送(QKD)」の信号を、同じ伝送路で同時に送ることに成功した。QKD信号専用の光ファイバーインフラを新たに構築することなく、通信キャリアの基幹ネットワーク上にQKDネットワークを構築できる可能性を示した。
2つの異なるQKD信号の多重伝送が実証できたことで、量子暗号通信の普及を後押しし、より安全な通信インフラの実現を目指す。
<ニュースリリース>
東芝:https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/rdc/rd/topics/25/2507-02.html
NEC:https://jpn.nec.com/press/202507/20250728_02.html
(小野寺)