世界売上高の21%を日本市場で、2024年度は金融・公共も狙う

―――Box Japanが新年度事業戦略を発表―

2024年04月18日

オンライン上のデータ保管サービスなどを提供するBox Japan(東京都港区)は4月17日、2024年度の事業戦略を発表した。顧客単価を引き上げるアップセルにより伸長した2023年度の売上高、注力する公共・金融分野での事例、生成AI(人工知能)を活用した製品戦略を話した。

 

 

 

古市克典代表取締役社長は「2023年度の売上高は好調で、Boxのグローバル売上高10億3800万ドルのうち21%を日本市場が占めた」と強調した。高まるセキュリティ要件への対応から最上位プラン「Enterprise Plus」の新規導入やアップセルが増えていることが大きな要因だ。受注前コンサルの導入も成長を押し上げた。従来の大企業顧客に加え、2024年度は中堅中小企業も狙う。金融、公共分野へのアプローチには、パートナー連携を強化する。

 

Go-to-market(製品の市場投入戦略)を担当する佐藤範之専務執行役員兼バイスプレジデントは1万7000社の有料顧客のうち注力領域である公共・金融分野の事例として、産業技術総合研究所と農林中央金庫を紹介した。「DX(デジタルトランスフォーメーション)推進により、プロセス自動化や生成AI活用の需要も出てきている」と話した。

 

米Boxシニアバイスプレジデント兼最高製品責任者のディエゴ・デュガキン氏は、「AIが加わることで、非構造データの統合、ワークフローの自動化などが可能になり、Boxが新しいレベルに進化する」と説明した。2024年1月に買収した米CroozeによりBoxのノーコード開発を強化することも発表した。生成AI関連では、「将来的には顧客が自由にLLM(大規模言語モデル)をBoxに連携できるようになる」と話した。

 

(左から)登壇した古市克典代表取締役社長、ディエゴ・デュガキン米Boxシニアバイスプレジデント兼最高製品責任者、佐藤範之専務執行役員兼バイスプレジデント
(左から)登壇した古市克典代表取締役社長、ディエゴ・デュガキン米Boxシニアバイスプレジデント兼最高製品責任者、佐藤範之専務執行役員兼バイスプレジデント

 

(正置)