MVNO混雑時の通信速度を最大2倍に速め、パケットロスは最大40%軽減

――ビッグローブ、NEC技術採用で

2016年10月05日

 ビッグローブは10月5日、NECの独自技術「Dynamic TCP Optimization」(D-TCP)を採用することで、MVNOの課題とされていた混雑時の速度遅延を大幅に改善したと発表した。測定結果によると、「BIGLOBE SIM」は通信集中時の通信速度が最大2倍に高速化、パケットロスは最大40%軽減した。

 D-TCPはNECが開発した通信トラフィックを高度に制御するソリューション「Traffic Management Solution」の主要機能。D-TCPにより通信トラフィックの特性に合わせて一度に通信するパケットの量を自動で制御し、ネットワークの混雑時に発生しやすいパケットロス、パケット再送を大きく低減することが可能となった。2016年7月に導入して以降、BIGLOBE SIMの通信集中時の通信速度を最大2倍に高速化し、サービス体感品質の向上につながったという。

 MVNOではMNOから調達しているネットワーク帯域を超えないようパケットを破棄し、利用者全体の通信を安定化させる制御を行っている。一方で、WEBブラウジングや、動画再生など通信の多くは、TCP/IP通信プロトコルを利用し、パケットロスが発生すると再度送受信する仕組みになっている。そのため、混雑時間帯にパケットロスが多く発生し、再送されるパケット量も多くなり結果、通信速度が遅くなるという現象が発生していた。
 こうした問題は以前からMVNO事業者の課題として指摘されており、各社需要に応じてネットワーク帯域の増強等による対策を継続的に取り組んできた。その課題解決に向けBIGLOBEは前進したこととなる。

http://www.biglobe.co.jp/pressroom/release/2016/10/161005-a-2