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2023年12月27日

ＭＭ総研は2023年11月、NECからの委託により第三者試験評価機関の協力を得て、MicrosoftとNECのファイルストレージを対象に負荷試験を実施した。クラウドサービスでは大手3社（Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloud Platform）の利用率の高さが際立っているが、今回はファイルストレージサービスに関して性能を比較した。

調査では、オンプレミスのファイルサーバー/ストレージをクラウドリフトする際のサービス選定とAzure Virtual Desktop利用ユーザーを想定ユースケースとし、「Microsoft Azure Files」と「NEC NFSストレージサービス」について調査した。仮想サーバーからストレージを移行する場合と、オンプレサーバーから移行する場合の2パターンで比較した。調査結果によると、Azure上で利用しているサーバーシステムのストレージ部分をNEC NFSストレージサービスへ移行する場合、性能劣化なく移行できると評価した。

負荷生成元が仮想環境から実施した負荷試験で、NEC NFSストレージサービスはAzure Filesサービスと比較し、読み込み/書き込み両処理とも応答時間が短く、転送速度も1.5倍以上大きいと確認でき、性能が優位であると判断した。

負荷生成元がオンプレ環境から実施した負荷試験でも、NEC NFSストレージサービスはAzure Filesサービスと比較し、読み込み処理は転送速度が約1.3倍だった。書き込み処理は応答時間/転送速度とも劣っていたものの、サービス間で応答時間90%の差は60ミリ秒程度で、性能に大差ないと判断した。

【データ１】ファイルストレージ向け負荷試験結果サマリ

出典：第三者試験評価機関の試験結果

※1.　応答時間（90%）とは、応答時間の90%タイル値を意味する。90%タイル値とは、データが100個ある場合の、小さい方から90番目の値。従って、応答時間（90%）が5秒とは、応答時間の集合の90%が5秒以内である事を表す。

※2.　エラーとは、以下の事象を意味する。　
・HTTPステータスエラー（5xx）
・不正レスポンス（期待値と異なるレスポンス）

＜製品情報＞

Azure Files　

SSD（Premium）LRS　

容量（GiB）：1000

最大IO数／秒：4000

バーストIO数／秒：10000

スループット（MiB／秒）：200.0

＜参考資料＞

ファイルストレージ向け負荷試験環境は以下の構成で実施された。

仮想サーバーからファイルストレージに向けた場合

図 1.仮想サーバーからファイルストレージ向け負荷試験の実行環境

オンプレサーバーからファイルストレージに向けた場合

図 2.オンプレサーバーからファイルストレージ向け負荷試験の実行環境

（上田/曽我）