NTT、量子コンピューターの基幹技術開発に成功

――実用化に弾み

2021年12月23日

 NTTと東京大学、理化学研究所は12月22日、大規模な光量子コンピューターを実現するための基幹技術である光ファイバー結合型量子光源(スクィーズド光源)モジュールを開発したと発表した。量子コンピューターの開発競争が世界中で激しくなる中、実現に向けて大きく前進した形だ。

 量子力学を応用する量子コンピューターは、超並列計算処理によって高速処理を実現するコンピューターだ。従来のコンピューターでは処理に膨大な時間を要する問題も短時間で解決できるようになるなど、本格的な普及への期待も高まりつつある。その中でもNTTが実現を目指す光量子コンピューターは冷却装置が要らず、運用コストを抑えることができるとされている。

 今回NTTなどは、NTTが培ってきた光通信デバイス実装技術を用い、低損失な光ファイバー接続型のモジュールを開発。光量子コンピューターにおいて量子性の源となるスクィーズド光の安定的な生成に世界で初めて成功した。これによりサーバーのラックサイズという現実的な大きさでの実機開発を進めることができるという。

 

https://group.ntt/jp/newsrelease/2021/12/22/211222a.html

(朝倉)