NECグループが「人工DNAアプタマー」の開発に成功

――新型コロナの空間モニタリングにつながると期待

2021年05月07日

NECとNECソリューションイノベータ株式会社は5月6日、新型コロナウイルスと結合する「人工DNAアプタマー」(注1、以下 アプタマー)の開発に成功したと発表した。同ウイルスの計測・モニタリングにつながると期待される。 

 

NECはニオイ物質を吸着させ、対象分子を識別する「膜型表面応力センサー(MSS、Membrane-type Surface stress Sensor)」に関する技術開発を進めている。今回開発した新型コロナウイルスと結合するアプタマーと、MSSの両者を組み合わせることで、特定空間内の新型コロナウイルスの量をモニタリングする計測装置の開発につなげたい考えだ。

NECは生体認証や映像解析などの技術から安全・安心で、効率的な都市の実現を支援する「NEC Safer Cities」を推進しており、今回の技術開発もその一環。

 

注1:「アプタマー」とは、ウイルスやタンパク質などの特定の標的分子の立体構造を認識し、特異的に結合する核酸(DNAやRNA)のこと。対象物にのみ強く結合する拡散の配列を探し出す技術である「SELEX法」を使うことで、人工的に作製できる。