製造業向けIoTサービス「OMNI edge」受注開始

――THK、ドコモ、シスコシステムズ合同会社、伊藤忠テクノソリューションズ

2019年12月11日

 THK、ドコモ、シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)、伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)は2019年12月10日、LMガイド※1に対応した製造業向けIoTサービス「OMNI edge」(オムニエッジ)の正式受注を同年12月18日より開始、2020年1月末から出荷すると発表した。

 

※1 世界で初めて直線運動部の転がり化を実用化したTHKの主力製品。機械の高精度化・高剛性化・省力化・高速化・長寿命化を実現する。

 

左から、シスコシステムズ合同会社 濱田義之 執行役員、
THK株式会社 寺町崇史 取締役執行役員、
株式会社NTTドコモ 谷直樹 執行役員、
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 寺田育彦 常務執行役員

 

 「OMNI edge」は、部品の状態を簡単に知ることができる製造業向けIoTサービス。THKが開発した「THK SENSING SYSTEM」※2を活用してデータを取得し、シスコのエッジコンピューティングルータ、NTTドコモのLTE回線を通じて、機械要素部品の状態を数値化、解析することで予兆検知ができるシステムだ。CTCはIoTシステムの構築・運用ノウハウを提供している。

 

※2 機械要素部品にセンサを装着し、収集したデータを数値化、状態を可視化できるセンシングシステム。LMガイドの破損や潤滑状態、ボールねじの予圧、ガタの状態を検知することができる。専用開発したセンサとアンプ、LMガイドのトップシェアメーカーとして蓄積してきた膨大なデータベースを活用したアルゴリズムを確立した。

 

 

 製造業は現在、「労働人口減少による自動化対応」「開発期間の短縮」「需要変動へのフレキシブルな対応」を行うことで、生産性向上、DX推進が求められている。この流れの中、THKは部品メーカーとして“メンテナンス”に注目。各製造業が抱える「人手不足により技術レベルを維持できない」「メンテナンスを効率化したい」「保守部品の在庫管理コストを低減したい」という課題を改善できるのが、同サービスだ。

 導入のメリットは大きく3つある。1つは外付けであることから既存の設備に簡単に装着できること、2つ目がシスコ、NTTドコモ、CTCとの協業により、データを堅牢かつ安全に運用できること、3つ目が初期コストゼロで始められることだ。料金はサブスクリプションモデルを採用し、Standardプラン月額8,000円での提供を予定している。今後、予測領域に踏み込んだProfessionalプランの展開も予定している。これは、4社が協業したことで、安全性や堅牢性、低額での高品質提供が実現している。

 

 

 昨年からの無償トライアルでは106件の依頼があり、うち設置した企業数が51社、現在37社と有償化に向け商談を進めている。

 

 現在LMガイドのみの対応だが、ボールねじのトライアルを実施し、来年には商用化する予定だ。今後、モーター、ベアリングなどの他部品と連携しデータ活用による判断を行い、最終的には設備全体の健康状態を把握、機械学習やAI活用により解析する段階をめざしている。概ね3年以内に、単年で数十億の売上を目標としている。

 

リリースURL:https://www.thk.com/?q=jp/node/20493

OMNI edge:https://www.thk.com/omniedge/jp/#anc03