IoTネットワーク 商用サービスを開始
――ソニーネットワークコミュニケーションズなど3社
2019年09月30日
ソニーネットワークコミュニケーションズ、NECネッツエスアイ、オリックスの3社は9月30日、LPWA通信規格「ELTRESTM」を活用した「ELTRES™(エルトレス) IoTネットワークサービス」の商用サービスを開始したと発表した。
「ELTRES™ IoTネットワークサービス」は長距離安定通信、高速移動体通信、低消費電力という特徴を持つ、ソニー独自の低消費電力広域(LPWA)通信規格「ELTRES™」を採用したIoT向け通信サービス。100㎞以上の長距離でのデータ通信や、時速100㎞以上で高速移動する電車などでも安定した無線通信を実現できる。また通信モジュールに標準搭載されているGNSS(グローバル衛星測位システム)を活用した位置/時刻情報の取得も可能だ。
通信電波の届きにくい山間部の鉄塔やため池などのインフラ監視、走行中車両の車両・物流管理、児童や登山者の見守りなど、多様な分野で本サービスの活用が検討されている。
現在114社とパートナーシップを結んでおり、30日に関東、東海、関西の主要都市から商用パブリックサービスを開始、2020年度上期中に全国展開をめざす。
【パートナー企業】4カテゴリーを用意。
・「端末パートナー」:多種・多様なIoT向けデバイスの設計・製造
・「ソリューションパートナー」:ELTRES™ IoTネットワークサービスを活用したソリューションやプラットフォームの開発・構築・運用
・「アプリケーションパートナー」:連携可能なアプリケーションを構築
・「チャネルパートナー」:端末やソリューションやアプリケーションなどを販売する
【活用事例】
1.街路灯の電力監視と設置位置管理 (岩崎電気株式会社)
・「街路灯の見える化システム」を構築し、街路灯の電力使用量と設置位置を管理
・自社で基地局を設置することなく、数十km以上の広域エリアを見通すシステムの構築を実現
・各自治体での試験運用を実施し、2020年度の商品化を目指す
2.アドベンチャーレースの選手トラッキング (日本システムウエア株式会社)
・地図とコンパスのみでゴールを目指すアドベンチャーレースで、リアルタイムに選手の位置情報を把握
・250kmに及ぶコースを数台の受信機で網羅し、選手の持つ送信機から3日間に渡り位置情報を発信
・自然の中を走り続ける選手の安全を管理し、体調悪化や負傷した際に迅速に対応、イベント運営を効率化
3.ため池の水位監視 (兵庫県)
・豪雨による「ため池」の決壊被害を防ぐため、ELTRES™とIoTプラットフォーム(*)を活用して水位を計測し遠 隔で監視
・電波の通じにくい山間部でも簡易な機器構成で設置でき、小さなバッテリーで5年程度稼働
・水位をパソコンやスマホから確認でき、決壊を防ぐために事前の対策が可能
(*)NECネッツエスアイがオプションとして提供
4.鉄道の車両・設備管理 (協和テクノロジィズ株式会社)
・高速で走行する特急車両からデータの送受信に成功
・走行車両内からデータを取得し、車両内の環境や状況を把握することでサービス向上へ
・レールなど鉄道設備の状態監視への活用を見込む
【概要】
参考URL:https://www.sonynetwork.co.jp/corporation/release/2019/pr20190930_0023.html