スタートアップ向け支援プログラムを開始

――ーーセールスフォース日本がHerokuを1年間5万ドル分提供

2019年05月21日

 CRM大手の米セールスフォース・ドットコムの日本法人(本社東京都千代田区、小出伸一社長)は5月21日、国内スタートアップ企業のアプリケーション開発を支援するため、アプリ開発用プラットフォーム「Heroku」を最長1年間に最高5万ドルまで利用できる支援プログラムを開始したと発表した。

Herokuはクラウド上に構築されたプラットフォームで、サーバー、データベース運用、セキュリティなどの“足回り”の構築をセールスフォース側が一括して引き受ける仕組み。このためサーバー投資や、インフラのエンジニア確保に余裕のないスタートアップ企業には営業、アプリ開発に専念できるメリットがある。

スタートアップ支援プログラムは①Herokuプラットフォームに利用できるクレジットを1社あたり上限5万ドル分提供②クレジット有効期間は最長1年間③申請方式はスタートアップからの直接申請ではなく、アクセラレータ、インキュベータ、ベンチャーキャピタルファンドなどの支援プログラム経由で受け付けるーーという内容。

利用できる主なHerokuメニューは「Dynos」(アプリケーションをデプロイできる揮発性のLinuxコンテナ)、「Private Spaces」(隔離されたプライベート環境で個人情報などをセキュアに利用できる)など。日本法人Heroku営業本部長である永野智執行役員(写真右)は「当面60社前後の応募を想定している」という。

日本法人はベンチャーキャピタル事業「Salesforce Ventures Japan Head」を7年前にスタートさせており、これまでに国内で43社に投資実績がある。2018年末には国内企業を対象にした1億ドルのファンドを設定した。Salesforce Ventures Japan Head担当の浅田慎二常務執行役員(同左)は「投資と並行して、セールスフォースのソリューションとバンドリングして提供するなど、協業を図るのが当社のプログラムの特徴」と語る。