インテルが「データ中心時代」向け製品を発表

――金融AI分野など

2019年05月17日

インテルは5月16日、自社製品およびソリューションを紹介するイベント「インテル・データセントリック・イノベーション・デイ」を開催した。今後の「データ中心時代」に備えてデータセンター向け製品群の拡充に注力しており、その販促の一環。

 

冒頭、日本法人の鈴木国正社長が登壇し、日本市場の環境やインテルの取り組みについて説明した。「産業別、既存顧客・パートナー別に課題を整理した上で、独自の技術を使った先進的なソリューション提供を通じた新規事業機会の創出に取り組む」との方針を示した。特にエネルギーや製造、金融や公共部門などを注目市場と位置づけ、半導体提供に留まらない「Trusted Advisor(信頼される助言者)」をめざす。

 

インテル米本社 データセンター事業本部のジェニファー・ハフステットラー副社長は今年4月に発売したデータセンター向けのメモリ・プロセッサ等の新製品について紹介した。「顧客とのパートナーシップを通じてワークロードを十分に理解し、最も成長性の高い分野に最適化された製品群として、データのポテンシャルを引き出すことができる」と強調した。

 

■中国の保険会社はインテル技術応用した事故車両破損状況をAIで解析

 パートナー企業を代表して、中国・平安保険の王健宗デピュティチーフエンジニアは同社が独自開発した損害保険事業のAIエンジン「Ping An Brain」を紹介した。同エンジンを活用した「スマート自動車保険請求ソリューション」は自動車保険の請求を受けた際に、事故車両を撮影した動画をAIで解析することにより、車両の破損の程度と支払い額を判定する仕組み。この技術により、広大な中国各地の事故現場に事故調査員を派遣せずとも信頼性の高い事故の審査が可能で、保険金の請求者も速やかな審査と支払いを受けられるようになった。王氏は「判定精度が99%を超えており、この精度の実現にはインテルのテクノロジーが欠かせない」と強調した。

このほか、4月発売の新商品「インテル Xeon スケーラブルプロセッサ」を搭載したサービスの展示・資料配布やプロセッサ・メモリに関する最新技術紹介、ゲストによる講演、データセンター・クラウド事業の戦略説明などを実施した。

 

■インテルの鈴木国正社長

 

インテルの鈴木国正社長

 

■インテル米本社 データセンター事業本部のジェニファー・ハフステットラー副社長

インテル米本社 データセンター事業本部のジェニファー・ハフステットラー副社長

 

■中国・平安保険の王健宗デピュティチーフエンジニア

中国・平安保険の王健宗デピュティチーフエンジニア