MVNO各社新施策相次ぐ

――キャリアの料金改定にどこまで対抗できるか

2019年02月01日

 MVNO各社が春の商戦に向け新施策を打ち出した。NTTドコモを筆頭にキャリア各社が春から料金改定を予定する中、MVNOはどこまで契約者増やせるか。MVNOそれぞれの施策を報告する。 

  • J:COMモバイル

 J:COMモバイルは、2月1日にプラン改定を発表。これまで提供していた5GB/月と7GB/月プランを廃止し、10GB/月プランに集約した。料金は一律5GB/月プラン並で据え置いた。キャリア各社の大容量プランとの差別化を図った。

 

https://www.jcom.co.jp/service/mobile/price/detail/

 

  • mineo

 関西電力系のケイ・オプティコムが提供するサービスブランドmineoでは、2月から5月上旬まで、新規加入者を対象に3ヶ月間、月額料金から500円値引きするキャンペーンを開始した。6GB/月プランは1180円、10GB/月は1440円それぞれ3ヶ月間値引く。こちらもミドルレンジの通信容量に手厚い値引きとなった。

https://mineo.jp/campaign/cp_20190201_1/

 

  • 楽天モバイル

 今年10月にキャリア参入前までに契約数を伸ばしておきたい楽天モバイルは、お得意の端末値引きキャンペーンを3月中旬まで実施する。さらに、今年強化したのは固定回線とのセット加入を促進するキャンペーンだ。楽天コミュニケーションズ光と楽天モバイルをセットで新規加入すると、楽天スーパーポイントでの還元も含め最大22000円相当が値引きされる。

https://mobile.rakuten.co.jp/campaign/cashback_hikari/?l-id=newlife_pc_hikari

 

  •  IIJmio

インターネットイニシアティブが提供するIIJmioは、2月1日から「ケータイプラン」の提供を開始した。データ通信量がなく、音声通話とSMS送受信専用のプランである。長期出張や留学時に電話番号だけは残したままにしたい人や、携帯電話ではほとんど通話しかしない人向けのプランである。

 また、フルMVNOとして、法人IoT向けプランの機能拡充も図っている。1月31日に小型チップ型SIMの提供開始を発表した。従来のSIMカード型ではなく、機器に組み込めるチップ型のSIMである。サイズは6 mm x 5 mmで厚み 0.9 mm。温度耐性も通常マイナス25℃~プラス70℃のところ、チップ型SIMではマイナス40℃~プラス105℃となるため、使用できる環境の幅がひろがる。1ロット3000個単位で提供する。

「ケータイプラン」

https://www.iijmio.jp/hdd/keitai/index.jsp

「チップ型SIMを提供」

https://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2019/0131.html

 

2014年頃から台頭してきたMVNOサービスも、2019年の大手キャリアの値引きを受け、大きな潮目に差しかかっている。