送電線上空をドローン専用のハイウエイに活用
――東京電力系、ゼンリン、楽天が実証実験に成功
2018年07月13日
東京電力ベンチャーズ株式会社(本社:東京都千代田区、赤塚新司 代表取締役社長)とゼンリン、楽天は7月12日、東電が保有する送電線の上空を“空のハイウエイ”として活用するドローン専用の物流ルートの実証実験に成功したと発表した。
このプロジェクト「ドローンハイウェイ構想」は2017年3月から東京電力ベンチャーズとゼンリンが先行して取り組んできた。送電線上空にドローン用の高速道路を仮想的に構築する取り組みだ。ゼンリンは送電網の三次元データを作成し、送電用の鉄塔や送電線にドローンが接近した場合に自動的に検知するジオフェンス機能を開発した。
東京電力ベンチャーズは観測機器をドローンハイウェイに設置し、気象状況を把握。気象状況に応じたドローンの飛行制御を行う。現在の気象情報は地上で人が利用するものが多く、ドローンが飛行する上空では異なる情報収集が必要だと言われていた。同社は送電鉄塔の上部に観測機器を設置しており、風速など上空の詳細な気象条件が把握できるよう工夫した。風速が10m/s以上となった場合ドローンを着地させるなど、気象条件の結果からドローンの飛行を制御するシステムも開発した。
埼玉県秩父市で実施した実証実験ではドローン配送に取り組む楽天も参画。約3kmの先の拠点にお弁当を配送する実験に成功した。ドローンハイウェイは2018年中に関東の複数箇所で開通を予定。物流やインフラ点検の実証実験のフィールドとして提供する。山間部で実証実験を重ね、2020年代初めの実用化をめざす。
●ニュースリリース
https://www.tepcoventures.co.jp/news/2018/0712/
●安全安心なドローン社会を築く
https://www.tepcoventures.co.jp/pdf/2018_0712_j1.pdf
●「ドローンハイウェイ」実現に向けた取り組み
https://www.tepcoventures.co.jp/pdf/2018_0712_j2.pdf