蘭HERE Technologiesが日中韓3社とのアライアンス結成を発表

――自動走行向けデジタルマップでアジアに橋頭保

2018年05月25日

 オランダにある空間地図HERE Technologiesは5月22日、パイオニア子会社のインクリメントP、中国の北京四維図新科技(NavInfo)、韓国のSK Telecomと協業し、自動運転車走行に必要な高精度地図を提供するアライアンス「OneMap Alliance」を結成すると発表した。日本の自動車メーカーに対しては、コネクテッドカー向けの情報更新無線技術「OTA:Over-the-Air」ソリューションを発表した。

 

 ムーン・J・リー副社長はOneMap Allianceについて以下の内容で語った。

「HEREはこれまで北米や欧州などのユーザーに対してHD(高解像度)マップを提供してきたが、APAC(Asia‐Pacific)地域に対しては、提供できていなかった。自動車メーカーが、それぞれの地域に自動運転を展開したい時に、共通した形式のHDマップがないために個々の企業で開発が必要になるなど、コストがかかっていた。今回日中韓3社がOneMap Allianceに加わることにより、APAC領域が加わり、共通のHDマップを提供できるようになる」。

同副社長はカバー率の拡大とHDマップの世界標準化の実現へ意欲を示しており、参加各社は「HERE HD Live Map」の規格と仕様に適合した世界共通の高精度地図を2020年から提供する。

 

ムーン・J・リー副社長

 

 また、車載部門担当シニア・バイスプレジデントのラルフ・ヘルトヴィッヒ氏は「新たな無線技術のOTAで地図の更新や追加ができることで、今後は530億ドルの価値を創出できる。OTAは特定のハードウェアや通信技術に依存するものでなく、Wi-Fi、次世代の5Gなどの通信方式にも対応できる技術を我々は推進する」と説明した。

ラルフ・ヘルトヴィッヒ 車載部門担当シニア・バイスプレジデント  

 

 

 プレスリリース(リンク先HERE Technologies:英文)

https://www.here.com/en/company/newsroom/press-releases/2018-22-05

https://www.here.com/en/company/newsroom/press-releases/2018-23-05