「おにぎりとシステムは同じ」とセブン&アイの鈴木CIO

――オムニチャネルのシステム発注先オラクル会長と意気投合

2015年12月11日

2015.12.11
 
日本オラクル主催のイベント「Oracle Cloud Day」が2015年12月8日から2日間都内で開催され、ゲストスピーカーのセブン&アイHLDGS.の鈴木康弘取締役執行役員兼最高情報責任者(CIO)は同年11月に本格導入した、ネットとリアル店舗を融合するオムニチャネル「オムニ7」の主要システムをオラクルに任せたいきさつなどについて語った。オラクルのシステム採用決定前には米本社のラリー・エリソン経営執行役会長と会談し、「(セブン-イレブンの)おにぎりと(オラクルの)システムは考え方が同じ」と意気投合した場面があり、同じ哲学を共有できたことが協業につながったとの考えを明らかにした。
 
セブン&アイのオムニチャネル「オムニ7」のメーンシステムを担当したのは、オラクル、NTTデータ、NEC、NRI。これら4社を中心に合計13社のITおよび関連のベンダーを集めた「チームIT」(鈴木氏)を結成、「参加各社にはそれぞれの得意分野を持ち寄ってもらった。開発期間は当初2年かかるとみられたが、結果的に15か月ですんだ」。
鈴木氏によると、一番重視したのはコールセンターのシステム。「ユーザーインターフェースがカギとなるだけに、慎重に選んだ。最終的にオラクルが残ったが、日本オラクルを通じて、ラリー・エリソン氏に面談を申し込み、快く受けてもらった」。エリソン会長との会談では、鈴木氏は「セブン-イレブンのおにぎりはシステムと同じだ」として、同社の“ものづくり”にかける考えを伝えた。これに対し、エリソン会長も「オラクルのシステムづくりの考えも同じだ」と答えたという。