世界初のデジタルメディスン、米国承認

――大塚製薬の非定型抗精神病薬「エビリファイ マイサイト」

2017年11月22日

 大塚製薬は米プロテウス・デジタル・ヘルス社(本社:カリフォルニア州、アンドリュー・トンプソン 社長兼CEO)と共同で世界初のデジタルメディスン「エビリファイ マイサイト」の承認を米国FDAから取得したと明らかにした。取得した日付は11月13日。

 

 

 エビリファイ マイサイトは、大塚製薬が販売している非定型抗精神病薬エビリファイに、プロテウス社が開発した1mm四方ほどのセンサーを内包した医療用医薬品。呑み込まれたセンサーが胃酸に触れるとシグナルを発し、胸付近に取り付けたシグナル検出器「マイサイト パッチ」が反応して患者のスマートフォンへ送られる。「マイサイト パッチ」はシグナル検知のほか、体温や心拍、睡眠の程度も計測可能だ。これらのデータは患者が同意すれば、家族、医療従事者、介護者との情報共有も可能となる。

 

      画像:エビリファイ マイサイトのイメージ(左)と組み込まれているセンサー(右)

 

 

 統合失調症や双極性障害、うつ病などの疾患を抱える患者は、服薬継続率に問題となっている。エビリファイ マイサイトは確実に服薬したことがわかることが利点。服薬状況を見える化することで、服薬継続率を高めることが狙いだ。

 

     画像:マイサイト パッチが薬剤のセンサーからシグナルを受け取るイメージ図

 

 

 大塚製薬は日本でもNECと共同でIoT技術を活用した服薬支援容器を開発するなど、患者の服薬継続支援には積極的。同社は「日本での開発は現時点で未定だが、患者さんの治療へ大きく貢献できる可能性がある。まずは米国での反応を見てから考えたい」とコメントした。