セールスフォース・ドットコムがHeroku Enterpriseを改良

――プライベートな開発環境を提供など、金融機関向けに照準

2016年01月27日

 
株式会社セールスフォース・ドットコム(本社東京都千代田区 小出伸一社長)は1月27日、コンシューマー向けアプリ開発のプラットフォーム「Heroku Enterprise」の改良版を提供開始したと発表した。改良のポイントはセキュリティの高度化で、標準のプラットフォームから分離した「Heroku Private Spaces」を新たに設定した。また、かねてから要望の多かった日本国内のデータセンターが選択可能となり、「東京リージョン」対応により従来に比べ8分の1程度にまでアプリケーションの応答速度が短縮化した。
 
今回の改良について、同社マーケティング本部の御代茂樹シニアディレクターは「特に金融機関などの市場開拓を念頭に置いている」との考えを明らかにした。ITを活用した金融技術である「フィンテック」時代に対応したといえる。
主な改良点は①Heroku Private Spacesによって高いレベルのセキュリティが要求されるアプリケーション開発が可能になる②米国と欧州の一部のデータセンターに限られていたアプリ構築機能の配備が東京でも可能になり、アプリの応答速度であるレイテンシー(遅延)速度が従来に比べ8の1程度に短縮、加えて日本国内でのデータセンターを使うことでセキュリティも向上――など。いずれも、金融機関に照準を据えたユーザー開拓のうえで、大きなてこになりそうだ。