日本初の治験開始

――キュア・アップの禁煙アプリ

2017年10月02日

 株式会社キュア・アップ(本社:東京都中央区、佐竹 晃太 代表取締役CEO)は10月2日、ニコチン依存症の治療用アプリ「CureApp禁煙」の治験を開始すると発表した。治療効果のあるアプリ開発は世界的には米国が先行しており、いくつものアプリがFDA(アメリカ食品医薬品局)による承認を受けている。日本では2014年に施行された医薬品医療機器法(いわゆる薬機法)でアプリを含めたソフトウェアが医療機器の承認対象となって以降、治験までこぎつけたのは「CureApp 禁煙」が初となる。

 

 

  

 治験のプロトコル要旨 

 

 中医協が公表したデータによれば、日本では年間600万人が禁煙に挑戦するが、7割の患者が再喫煙してしまうという。再喫煙はタバコへの心理的な依存が主な原因。薬だけでは治療が満足にできないケースもあるが、アプリを使用することで常に医学的なエビデンスに基づくアドバイスを受けられる。アプリが患者に“寄り添う”ことで、禁煙継続率の向上を目指す。

 

 

  今回の治験では慶応義塾大学病院、さいたま市立病院をはじめとする30の医療機関が参加し、6か月後の禁煙継続率を評価する。同社は2019年3月まで治験を実施し、同年秋ごろには承認をとりたい考えだ。治療アプリ開発が盛んな米国でも、満足のいく禁煙治療アプリはまだない。これを受けて医師でもある佐竹CEOは「医師が処方する治療アプリという新しい治療戦略を創出し、グローバルにおける標準禁煙治療を提案したい」と意気込む。

 

 

治療アプリと治験について紹介する佐竹氏

 

 

会見に登壇した治験参加病院の責任者や関連学会の医師たち