パイオニアと蘭HEREが資本提携

―――世界標準の自動運転地図の作成に挑む

2017年09月20日

パイオニアとオランダに本社を置く地図情報の世界的大手HERE Technologies(以下、HERE)は2017年9月19日、相互出資方式で資本提携すると発表した。両社は地図情報で協業関係にあったが、世界規模での自動運転の普及に向け基盤技術である3次元地図情報サービスで強固な提携に踏み切った。

 

「資本提携は戦略的に大きな意味」とパイオニアの小谷社長

 HEREはカーナビ向けデジタル地図情報では欧米市場で8割のシェアを持つ。パイオニアとHEREは以前から自動運転技術で協業してきた。具体的な協業テーマは①自動運転向け地図を効率的に更新・運用する「データエコシステム」の開発②パイオニアの走行空間センサー「3D-LiDARセンサー」を活用する実証実験――。さらに、グローバルな地図ソリューションの提供や、自動車を含めた様々な業界向けの次世代位置情報サービス分野で協業する方針を確認する過程で、資本提携に踏み切るのが得策と判断した。

 

 今回の資本提携はHEREがパイオニアの株式を3%、パイオニアがHEREの株式を1%未満それぞれに取得する。出資金額は各約22億円。パイオニアの小谷進社長は「金額は少ないが、戦略的には大きい意味がある」と語る。


画像:左から、パイオニア 代表取締役兼社長執行役員 小谷進氏、HERE TechnologiesCEO Edzard Overbeek氏、インクリメント・ピー 代表取締役社長 神宮司巧氏

 

2017年中にHERE はパイオニア100%子会社であるインクリメント Pの日本向けナビゲーション地図データを利用し、日本地図をグローバル地図サービスとして提供する見通し。一方、パイオニアはHERE の世界地図データを利用し、海外の顧客向け製品やサービスを展開する。こうした取り組みによりグローバルスタンダードな地図サービスをめざす。

 

ニュースリリース

http://pioneer.jp/corp/news/press/2017/pdf/0208-1.pdf