KDDI、大阪・関西万博で5G通信を強化へ

――国内初の「DB-MMU」商用導入で高密度通信に対応

2025年04月14日

KDDIは2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で、高速通信規格「5G」の2つの周波数帯に対応した無線装置「Dual Band Massive MIMO Unit(DB-MMU)」を国内で初めて商用導入した。設置場所は屋外イベント会場「Matsuri」の後方エリアで、来場者が多く集まる区域に向けて安定した高速通信環境を提供する。

 

DB-MMUは、3.7GHz帯と4.0GHz帯のSub6周波数を1つの装置で同時に利用できる点が特徴。従来は周波数帯ごとに別々の装置が必要だったが、5G SA(スタンドアローン)サービス利用時にはキャリアアグリゲーション技術により、1周波数対応の従来装置に比べて最大2倍の通信速度を実現するという。

会場に設置されたDB-MMU 出所:KDDIプレスリリース

会場に設置されたDB-MMU 出所:KDDIプレスリリース

 

DB-MMUは多数のアンテナ素子を活用したビームフォーミング技術を備え、ユーザーの位置に応じて効率的に電波を届ける。また、複数のユーザーを同時に通信可能にする「Multi-User MIMO」にも対応し、イベント時のような高密度通信環境においても安定した通信を提供する。

KDDIは現在、全国で3万9000局のSub6基地局を展開している。2024年度には、基地局の出力強化やアンテナの最適化により、Sub6エリアの通信品質とカバー率を向上させた。今後は大阪・関西万博での導入実績を踏まえ、2025年夏以降、都市部の商業施設や鉄道路線など生活動線へのDB-MMU展開を進めるとしている。

 

<プレスリリース>

https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-545_3826.html

 

(小池)