日本IBMがパートナー・フォーラムを開催

――「AI」「Automation」「Hybrid by Design」を推進

2025年01月28日

日本IBMは1月27日、都内で「IBMパートナー・フォーラム2025」を開催した。このイベントは日本IBMのビジネスパートナー向けのもので、基調講演では日本IBM 代表取締役社長の山口明夫氏が同社の事業戦略とパートナーとの協業方針を語った。

 

冒頭、山口氏は労働人口の減少や地政学的リスク、サプライチェーンの変革、サイバーセキュリティの脅威など、現在の事業環境における主要な課題について説明。こういった環境変化がある中で、日本IBMは3つの戦略的方向性として、「AI(人工知能)」「Automation(自動化)」「Hybrid by Design」を挙げた。

 

AIについては、AIオープンでデータとモデルの共有化を推進し、あらゆるプロセスにAIを組み込み、 AIエージェント(生成AIを活用してタスクを自律的にこなすシステム)や特定用途に特化した生成AI(SLM=小規模言語モデル)の開発を進めていく。自動化については、システム開発・運用や業務プロセスで自動化を徹底的に進め、人材不足に対応するとともに新しい価値の提供にシフトする。Hybrid by Designについては、顧客の業務要件や経営課題に基づいた最適なシステム設計を提供し、オンプレミス、クラウド、メインフレームなど、それぞれを使い分けることで適材適所のインフラを提供していく。

 

パートナーとの協業では、日本IBMが全国8カ所に拠点を構えるIBM地域DXセンターが開始当初から2.8倍まで拡大したほか、ISV(独立系ソフトウエアベンダー)やCSP(クラウドサービスプロバイダー)とはERP運用保守に特化した「IBM幕張DXセンター」の開設、製品の組み込みでは複数のLLM(大規模言語モデル)管理やマルチクラウドの最適化などの新規組み込みソリューションの発表、製品の再販では新規パートナーが対前年比1.6倍に増えたことに触れた。日本IBMにおけるコンサルティング、テクノロジー、営業、顧客システム開発のデリバリー、ISV/CSP各社との協業、製品組み込み、製品再販といった7つの領域における統括者を紹介し、各担当領域を説明した。

 

(曽我)