ドコモ吉沢氏 内閣官房谷脇氏

――MM総研大賞10周年記念講演、講演要旨

2013年07月11日

 MM総研は7月10日、都内のホテルを会場に「MM総研大賞2013」を開催した。10回目を迎えた今年は、NTTドコモの吉澤和弘取締役常務執行役員と谷脇康彦内閣官房内閣審議官による記念講演を開き、会場に詰めかけた約200人が熱心に聞き入った。
「MM総研大賞10周年記念講演」での講演要旨は以下の通り。

●スマートライフのパートナーへ
モバイルサービスの進化と新たな価値創造への取り組み
NTTドコモ
取締役常務執行役員
経営企画部長
吉澤和弘 様

・OTTプレイヤーの台頭により競争領域が変化し、エコシステムの中心が上位レイヤーにシフトしつつある。
・ドコモはスマホの基盤をしっかり作り、その上で新しいサービスを提供して収入にも寄与させることを狙っている。付加価値をつけてお客様に新しい機能を提供できるかが重要となってくる。
・スマートライフのパートナーとして、お客様に色々な利用シーンで最大の価値を感じてもらうために、「プラットフォーマー」として自らがサービスプロバイダーに進化する方向に動いていく。
・新領域でのサービスの収入を13年度には7000億円にし、15年度には1兆円を狙っている。
・様々な企業とアライアンスを組み、サービス領域をどんどん増やしていく。新しいサービス、機能を提供していくことで、お客様の価値を増大させていくことがドコモの考え方だ。

 

吉澤和弘NTTドコモ取締役常務執行役員



●情報流通連携基盤の構築に向けて
内閣官房内閣審議官
谷脇康彦 様

・情報通信分野における日本の国際競争力は世界で21位。日本の場合はネットワーク品質や料金では世界1位と評価されているが、残念ながらそれを上手く使いこなせていない。ICTの利活用が弱いという評価をされている。
・北欧などは医療の情報化、電子行政などICTを上手く使いこなす点で評価が高い。そういう意味で日本のこれからのICT政策課題はICTの利活用をどう広げていくかという点が大きなテーマだ。
・日本はこれまでものづくり大国として評価を得てきた。しかしものづくりだけでは立ち行かなくなってきているのが現状だ。例えばデジタルテレビなどではコモディティ化が進んでいる。デジタル機器を作るための設備投資をものづくりだけで回収することが難しくなってきている。
・今求められているのは、ものづくりとサービス作り、ハードとソフトをいかに組み合わせるか。サービスの部分をどううまく組み合わせていくのかが重要。
・ものの価値は下がっているが、下がっている部分についてはサービスなどで価値を作り上げていくことが重要なテーマになってきている。そのためには情報をいかに連携させるかが重要だ。
・総務省としてもITインフラの整備をやり、インフラが整備できてきた段階で行政や医療、教育の情報化に力を入れてきた。今後はそれに加えて情報の横の連携をどう作っていくかを検討しなくてはならない。

 

谷脇康彦内閣官房内閣審議官