CEATECシンポ「個人情報保護法の見直しも検討」

――内閣官房情報セキュリティセンター 谷脇氏がパーソナルデータ活用で

2013年10月04日

 千葉市の幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2013」で10月4日、慶応義塾大学の村井純教授がモデレーター役になったシンポジウムが開催された。タイトルは「激論:テレビとスマホとインターネットの理想の生活空間とは」。パナリストの一人、内閣官房情報セキュリティセンターの谷脇康彦・副センター長は「ビッグデータの活用のなかでパーソナルデータは大きなテーマになる。政府は年末までに個人情報保護法の見直しに着手する」として欧米が先行する個人情報の利活用に我が国も動き出す姿勢を明らかにした
パネリストの主な発言要旨は次の通り。

・夏野剛 慶応義塾大学院政策・メディア研究科特別招聘教授
 携帯電話で、日本は技術は一流だがビジネスモデルで失敗した。「いいものを作れば売れる」という考えを捨て、21世紀型のビジネスモデルを構築しなければならない。日本がテレビでどのようなバリューチェーンを作れるか、注目したい


・濱野智史日本技芸リサーチャー
 ある20歳の学生の日常を追ったレポートを報告したい。典型的なオタクで、2日間まったく外出しなかったこともあり、1日中PCでツイッターをしていた。つぶやきは1日200から300。数分間に一回つぶやく計算だ。フォロワーは2000人いる。PCをメインに見て、テレビはほとんど見ない。時々テレビの番組に刺激されてツイターでつぶやくこともある。あるとき、突然「ゴーギャン」とつぶやいたことがある。まったく脈絡のないフレーズだ。あとで調べたら、ちょうど流れていたテレビのクイズ番組の質問に、学生が突然反応し答えたようだった。いわばテレビはツイッターのネタを提供する装置となった。


・関祥行フジテレビジョン常任顧問
 スーパーハイビジョンテレビの開発に取り組んでいる。4K、8Kと言われるものだ。当初は欧州で開発機運が高まったのだが、現状で突出しているのは韓国。韓国では14年にも4Kテレビの放送が始まると聞いている。


・谷脇康彦内閣官房情報セキュリティセンター副センター長
 ビッグデータのポイントは①行政の情報を公開するオープンデータ②データ化されなかった情報のデータ化③M2M④パーソナルデータの活用―だ。とりわけ、パーソナルデータの活用は欧米が積極的であり、日本でもパーソナルデータ活用の前提となる個人情報の安全確保を担保しながら個人情報保護法の見直しに向け検討を始める。いまや個人情報もグローバルな対応が避けて通れない。欧米の動向を見ながら、検討していきたい。