ソニーAI、トップドライバーを凌ぐAI「グランツーリスモ・ソフィー」を発表

――自動運転への応用も期待

2022年02月10日

ソニーAI（東京都港区、北野宏明代表取締役CEO）は2月10日、AIエージェント「グランツーリスモ・ソフィー（GTソフィー）」を発表した。

GTソフィーは新たな深層強化学習プラットフォームを利用してトレーニングされた自律型AIエージェント。プレイステーション4用のリアルドライビングシミュレーター「グランツーリスモSPORT」で世界最高峰のドライバーを凌ぐAIエージェントになったという。

GTソフィーはソニーAIとポリフォニー・デジタル、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの3社が共同開発した。基礎的なAIの研究開発や、超現実的な実世界のレーシングシミュレーター、大規模なAIトレーニングのためのインフラストラクチャに関する3社の専門知識を結集し、世界のトップドライバーを超えるプレイをAIが実現可能とした。

必要な要素は以下の通り。トレーニングを重ね、これらを習得している。

レーシングカーの制御：車の挙動やドライビングライン、および難易度の高いコースを攻略するための精密な操作に関する深い理解
レースでの戦術：刻々と変化するレース状況を元にした瞬時の意思決定、およびスリップストリームパスやクロスオーバーパスなど攻守の駆け引きを含む戦術の組み立て
レースマナー：自己の過失による衝突の回避や、対戦相手のドライビングラインの尊重など、フェアプレーに欠かせないマナーを含む、高度に洗練されながら明確には定義されにくいスポーツパーソンシップ

ソニーAIは「グランツーリスモSPORTを通じてカーレーシングという難易度の高いスポーツをマスターしたことはAIの飛躍的進歩である」とし、2月10日に発行された科学誌Natureに「深層強化学習でグランツーリスモのチャンピオンドライバーを凌駕する(英語版、日本語版)」というタイトルでその論文が掲載される。著者は航空ドローンや自動運転車両などのシステムに応用できる可能性もあると示唆している。

GT ソフィーを構成する主な技術要素

出所：ソニーAI

＜ニュース＞
https://ai.sony/ja/articles/sonyai008-jp/

（小野寺）