「IOWN構想」などでグループ連携を強化

――NTTデータ、次期中計の骨格

2021年05月11日

 NTTデータは5月11日、2020年度通期の決算を発表した。売上高は23,187億円(前年度比2.3%増)となり32期連続の増収となった。営業利益は1,392億円(同6.3%増)で、営業利益率は6.0%と前年度よりも0.2ポイント改善した。増収要因は国内事業における中央官庁、テレコム、金融のデジタル案件が後押しした。

 

中期経営計画は約6%下方修正

 21年度を最終年度とする中期経営計画では、売上2.5兆円、連結営業利益率8%、海外のEBITA(利払い・税引き・償却前利益)7%を目標としている。しかし今回の決算発表では売上2.36兆円、連結営業利益率7.6%へとそれぞれ下方修正した。コロナ禍で海外事業へ大きな影響が出たためだという。

海外事業では買収した子会社のガバナンスや事業の集約などが喫緊の課題となっている。事業構造改革を進めてきた北米ではEBITA7%の目標を達成する見込みだが、EMEA(欧州・中東・アフリカ)と中南米で遅れが出ている。

 

次期中計ではグリーンITが目玉に

 同社は2025年に世界のITサービス会社のTop5に入る目標を掲げており、次の中期経営計画での実現をめざす。現中計では「グローバルデジタルオファリングの拡充」「リージョン特性に合わせた価値提供」「組織力やグループ連携の強化」をあげてきたが、新中計では従来の取り組みに加え、「グリーンIT」にも注力する。また、今年1年をかけて海外の買収先を「NTTデータ」の名称を付けた名前に変えていくほか、製品やサービスのブランド統合もはかるなど、グローバルでOne NTTデータ実現に向けて動く。

グループ連携戦略ではNTT持ち株が提唱するIOWN構想、デジタルツインコンピューティング、オープンRANが上がっている。今年1月1日に「IOWN推進室」を100人規模で設置している。