NTTぷららがクラウドの映像サービスをオンプレに

――――デル製ストレージで自社データセンターに移行

2019年11月01日

NTTグループの映像配信サービス会社、NTTぷららが同サービスのストレージ基盤を従来のパブリッククラウドからオンプレミスに移行したことが明らかになった。デル株式会社とEMCジャパンの統合体「デルテクノロジー」が11月1日都内で発表したストレージ新製品発表会でNTTぷららの担当者が報告したもので、2019年1月に移行が完了し、「移行満1年間で初期投資が回収できる見通し」とコストダウンの効果を強調した。クラウド化が進む流れのなかで、デルは今回の事例を前面に押し出し「オンプレ化のメリット」を訴えていく模様だ

NTTぷららの映像配信サービス「光TV」は月間延べ8000万時間で、パートナー向け含めると1000万ユーザーに達する。今年1月からはNTTドコモのサービスとして音楽ライブを好みのアングル映像で楽しめる「マルチアングルライブ」や、動画内のアイドルなどが着ている服をタッチするとECサイトに飛んで注文できる「EC連動」の仕組みを提供するなど、新しいユーザープログラムを積極的に投入、「映像コンテンツのパーソナル化」を積極化している。さらに扱うコンテンツが急増することからストレージ基盤の抜本的な対策に踏み切った。

移行作業には3カ月間かけ、パブリッククラウド上にある22億ファイルを東京、大阪にある自社データセンターに新設したエンタープライズ向けオブジェクトストレージ「Dell EMC ECS EX500」(200TB-3PB)に移し替えた。

報告にあたったNTTぷららの技術本部ネットワーク管理部マネージャー、大橋峰延氏は「ECSに切り替えた場合、5年間Azureを使ったトータルコストを下回ることがわかった」としている。運営・管理面でもパブリッククラウドでトラブルなどが起きた際に「(クラウド事業者から)原因の説明がないことが多く、そのため、当社のユーザーに十分トラブル原因を伝えきれない」とのもどかしさにも触れた。