世界初、ガラス一体型5Gアンテナ 通信成功

――NTTドコモ、AGC、エリクソン

2019年05月29日

 NTTドコモ、AGC、エリクソン・ジャパンは5月29日、自動車や鉄道などの車室や建物内で、安定的に28GHz帯の電波を送受信できる「ガラス一体型5Gアンテナ」を世界で初めて成功したと発表した。

 

 

 第5世代移動通信方式(以下、5G)で割り当てられた28GHz帯の周波数は、従来の通信方式(LTEなど)で用いられる周波数帯に比べ直進性が強い。これは、車室や建物内で通信する際に電波が弱まる特長をもつ。この電波が弱まる前に、車室や建物のガラス面に同アンテナを張り電波を送受信することで、安定した5G通信が可能となる。

 

 

 同アンテナは透明性が高いことで、建物や車両などに設置しても視野を遮らず、景観も損なわない。

 

 今後について、NTTドコモ、AGC、エリクソンは、同アンテナを複数束ねてデータの送受信を行うMassive MIMO対応によるさらなる通信速度の向上だけでなく、基地局の設置が困難な場所や一時的な5Gの需要があるような環境において、同アンテナの活用による5Gのエリア拡充や用途の拡大など、取り組みを進める。

 

【実証実験概要】

 時速約30kmで走行中の実験用車両の窓ガラスに同アンテナを貼り付け、車内での5G通信速度を検証する実証実験を2019年4月22日(月)~2019年5月28日(火)に、東京都墨田区周辺の市街地において実施。

 実証の結果、400MHzの帯域幅で下り最大3.8Gbps、基地局から半径約100mのエリアにおいて平均1.3Gbpsの5G通信に世界で初めて成功した。

 

 

参考:https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2019/05/29_00.html