NEDO、低消費電力動作の脳型情報処理回路の実証に成功

――エッジ側で、負荷の大きな学習処理が実行可能に

2018年06月19日

 

 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は6月18日、産業技術総合研究所、パナソニックセミコンダクターソリューションズ株式会社、北海道大学と共同でアナログ抵抗変化素子を用いたAI半導体向けの脳型情報処理回路を開発し、低消費電力動作の実証に成功したと発表した。これにより、電子機器に深層学習を実装する場合、クラウド側に頼らずユーザー(エッジ)側だけで負荷の大きな学習処理を実行できるようになる。

 

AIを使った学習の処理は演算量が膨大で消費電力が大きく、ユーザー機器(エッジ)側で処理することは容易ではなく、クラウドシステム側でAIを搭載しエッジ側はクラウドの処理結果を受け取るだけか、推論(実行)処理のみをエッジ側で行っていた。今回の実証成功により、個人情報をクラウドに上げることなくAI学習を進めたり、個人の端末でリアルタイム映像データ解析を処理したりすることが可能となる。社会インフラの分散制御・高度化にも広く波及していくものと期待される。

 

 NEDOなどの研究グループはAI開発環境である脳型情報処理活用プラットフォームの本格運用の開始や、関連技術の習得をめざした人材育成スクールの開校を2018年8月に予定する。

 

プレスリリース

http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100977.html