セルラー方式のドローンで空中警備する実験を公開

――NEDO、KDDI、セコムなど

2018年03月16日

 NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)、KDDI、テラドローン(本社:東京都渋⾕区、徳重 徹 社⻑)、セコムは3月15日、移動体通信のセルラー方式を採用したドローンによる空中からの警備実験を公開した。実験の目玉は「広域巡回警備」で、空中に飛ばしたドローンで不審者などの行動を監視できる。

 今回の実験はNEDOに採択された「ロボット・ドローンが 活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」の一環。発表で、NEDOの弓取修二ロボット・AI部長は「人口減少時代はいかに省力できるかが重要となる。今回の実験はその課題解決に有益なもの」と強調した。

民間各社の役割は以下
KDDI:ドローンに組み込むLTE通信モジュールと運行管理システム
テラドローン:実験会場「さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト」の3Dマップを作成するソフトウエア。作成した3Dマップと気象情報や地形情報などを結合させ、飛行ルートの設定や、遠隔でカメラなどを操作するシステム。
セコム:ドローン警備の実績から警備アプリケーションの開発。

 実験の特徴は、広域を監視する”俯瞰ドローン”と、異常が発見されたときに現場に急行する”巡回ドローン”という2つの役割を持ったドローンを同時に飛行させたこと。俯瞰ドローンは地上から約60mの高度、巡回ドローンは約30mの高度でそれぞれ飛行させ、役割ごとに高度を区分することで、同じエリアを飛行するドローンの衝突を避けている。

 上空からの監視方法として人工衛星や飛行機、ヘリコプターなどがあるが、地上3m~100mの高度で監視できる方法としてドローンが活用できるとしている。

 今後も、実用化が近い5Gを用いた高解像度カメラの伝送システムの実験や、機体の小型化により長時間飛行可能なように、改良を重ねていくという。

4G LTEを活用した複数ドローンによる広域警備の公開実験の様子
4G LTEを活用した複数ドローンによる広域警備の公開実験の様子

 

■KDDIプレスリリース
「世界初、4G LTEで自律飛行する複数ドローンを活用した広域警備に成功」

http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2018/03/15/3009.html